posted by 渡月・トワヤ
at 22:42:17 │
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団ジョン探索中。
いきなり仲間割れしたメンバを見て、おろおろと
「仲間割れしちゃった。チョコレート渡したら仲直りするかな…」
というメンバの一人の言葉に、ボクは
「ハイ!ちょこれーとほしい!」
と手を上げた。
ボクはこの段階で、仲間割れに加担してしまったのだった。
さてそこで、「誰と仲間割れするつもりなのか」と問われたのだけれど、はて。
そも、誰と仲間だったのかが、思い出せない。
うーん、と首をかしげたボクに、問いかけた先輩は痺れを切らし、
「俺とトワヤは、永遠の固き友情とか愛着とかそんないろいろで結ばれた仲間だろー!」
と(狼変身しているまま)ボクに当身してきたのだ。
「…へっ!?」
1mをゆうに越す巨体から繰り出されるタックルで、ボクは見事に吹っ飛ばされた。
…エイエン?
……カタイユウジョー?
………ナンカイロイロ・・・?
木っ端のように吹っ飛ばされながら、走馬灯のように先輩の言葉が巡る。
「あ…あれ、そうだったっk……」
なんだかそんな気もしてきた。まぁ、これって明らかに衝撃でボクの記憶が混乱していたからなのだけれど。
──そうか。大事な仲間のこと忘れちまうなんて、どうかしてたな。
チョコレートに釣られた自分に苦笑いして、起き上がろうとした刹那。
「…ぐはっ!」
ボクは再度、突っ伏すことになる。
その第二波で腹のあたりをしたたかに打ちつけた。
背中に、急に重石が乗っかったみたいでまともに声も出せやしない。
「…いったい、なんなんだ?」
肺を押しつぶされ、蚊が鳴くような声で独り言る。
……けど、これ、石なんかじゃない。
背中があったかいし感触もやわらかい。ちょっとゴワゴワ(ちくちく?)しているけれど。
まさか、な。
ゆるりと首を後ろにめぐらしたら、そのまさか。
固い友情を誓った(?)先輩がボクの背中に乗っかって、尻尾を盛大に振っている。
じゃれ付くのは、わんこの習性なのか?
っていうか、ボクは(わんこ属性だけれど)わんこじゃないんだってば!!
posted by 渡月・トワヤ
at 23:30:47 │
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ベッドに寝転がって、図書館で借りてきた単行本を読んでいる。
ちらり、ちらりと脳裏を掠める想い事で、今日は物語が上滑りする感じ。ボクは栞を挟んで本を閉じると、布団に仰向けになった。
首だけをぐるり巡らして視界のすみに映るのは、季節外れの、散ることのない菫色の紫陽花の花。
何度も何度も、自分に問い続けてきたことを、ボクはまた胸の内に繰り返す。
これからもきっと、ボクはこの胸に問い続けるのだろう。
大切なものを守るために。
しっかりとこの手でつないで。
いつまでも、笑顔でいられるように。
posted by 渡月・トワヤ
at 13:26:59 │
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彼から届いたメールに、ぱっと表情を明るくさせたボク。
体温が上がったような気さえした。
こうしちゃいられない。
学校の帰りに書店に寄って、日食観測用のグラス、買って帰らなくっちゃ!
posted by 渡月・トワヤ
at 13:40:03 │
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5日後に迫った金環食。
次に観られるのは東京では173年後のこと、らしい。
日食観測用のグラス、買おうかなぁ…
書店に立ち寄るたびにレジ近くにおいてある日食グラスや、観測用ムックなんかをちらちら見てはいるものの、決定力不足でいまだ入手するには至っておらず。
金環になるあたりのその時間は通学電車の中だしなぁ。
ボクは車両の東側に乗客皆が移動して窓の外を見上げているのを想像してみた。無理だ、見れるわけがない。
欠け始めから欠け終わりまでは、最大2時間の天文ショー。
ただ、空ばかり眺めて歩くのは、危険だろうしなぁ。
うぅむ。
ライヴで観るのは半ば諦めてはいるけれど。
彼に「あの太陽のリングをちょうだい」とおねだりしてみる、とか。
ははは、われながらオトメ健在。
posted by 渡月・トワヤ
at 15:48:39 │
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教室から眺めた午後の風景は、うららかな春の陽射しをいっぱいに浴びて、風に揺れる木の葉がきらきらと眩い。
こんな日は外で昼寝できたら最高だな。
ボクはノートを取りながら、そんなことを考えていた。
講義終了のチャイムが鳴った。
テキストやノートを机の上で、とんとんと軽く整えてカバンに仕舞っていると、仲良くなった同じ科の子が
「じゃあ、また明日ね」
と手を振って教室を後にする。跳ねるような後姿を少し目で追ったあと、ボクも席を立った。
入学してすぐに彼女はテニスサークルに入ったらしい。
さきほどの跳ねるような足取りが物語るように、ある日のランチでサークルに入ったことを話してきた彼女は、とても楽しいよと言って笑い、ボクに「一緒にやらない?」と誘ってくれたのだ。
けれどボクは曖昧に笑って「考えてみるね」とだけ答え、彼女も「そっか」と頷いて、それ以上を言い募ることはなかった。そういうさっぱりしたところが、彼女を好ましく思う理由のひとつ。
屋外へ一歩踏み出せば、うららかな陽射しからは想像ができないほど風が冷たくて驚いた。まぁ、毎日朝早くに寮を出るボクは、いつも1枚多く羽織っているから、寒くったってへいちゃらなのだし、そもそも冬生まれのボクは、寒さに滅法強いのだけれど。
春とは名ばかりの寒い日は、少し身が竦んでしまうのを自覚する。
道端のツツジはいつの間にか満開で、白やピンクの濃淡が目に鮮やかだ。
空の色はまだ淡く、漂う雲も、綿のようにほわほわと輪郭を曖昧にしている。
ボクは空を見上げ、ふぅと息を吐いた。
正直なところ、サークルって、あんまり興味がない…のかなぁ。
銀誓館の結社で、(能力者同士ゆえの)気心知れた仲間とのんびり談笑しているだけで充分だと思える。
小さいころみたいに旅人の外套を制御できないという負い目なんかはないけれど、やっぱりちょっと警戒してしまうのかもしれない。なんてのは、考えすぎだ。
人が集まるところはキライではない。
笑顔が溢れるような、楽しいことは大好きだ。
けれどボクには、余暇があるのならば他にやりたいことがあった。
一番単純なことを言えば、ただ通学の時間を考えて、サークルなんてやってられっか!ってトコロに落ち着きそうな感じではあるけれどな。
Chilly Spring Weather.
今日みたいな日のことを英語ではこんなふうに言うのだとか。
なんか……生春巻き食べてぇな。スウィートチリソースをつけて、ぱくっと。
思いついて、生唾をごくり飲み込みつつ。
──Chillyで、chilli?
己の思考の単純さに、笑いがこみ上げる。
晩飯の後、何個かこっそり作って、読書のお供として夜食にしようか。
そうだ、そうしよう!
思いついたら、居ても立ってもいられないボクは、買って帰るものを想像しはじめる。
忘れちゃいけないライスペーパー。
具は海老かサーモン(お買い得なほうをチョイスする)、ビーフン、香菜、もやし、きゅうりぐらいで充分だろう。
スウィートチリソースは酢とか砂糖とかを混ぜて作る。ケチャップを少し使ってもいいかもしれないな。調味料類はぜんぶ調理場にあるはずだ。
そんなふうに考えをめぐらせているボクは、気づいてみれば、先ほどの彼女と同じくらい、ぴょんぴょん跳ねるような足取りになっていた。