posted by 渡月・トワヤ
at 12:47:08 │
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明日までには全部、採点まで済まされるという…
とりあえず、終わった終わったー!(うーんと背伸び
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コーヒーを飲みながら、infobookを立ち上げた。
次の連休、日曜から3日間ほど地元に帰省することにしたので、
(その後、旧友とも連絡がつき、会えることになったのもあり)
たまには土産でも…と思ったのだけれど、さて何が良いのかさっぱり判らない。
というわけで、調べ物。
鎌倉駅から江ノ電に乗り、とある駅の近郊に生麩の饅頭屋があるという。
江ノ電…!
その単語に、ボクは色めき立つ。
というのも、ボクは私鉄に強い憧れがあったから。
地元での主要交通機関はバスのみ。
電車はJRのみだったし、自宅から駅が遠かった所為で身近な乗り物ではない。
少数の車両が線路を走るとか…なんて素敵!
よし、今日はこれから此処に行ってみよう。
そうと決めたら、ボクのフットワークは俄然軽くなる。
店までのアクセスを手帳に書き記してから、残りのコーヒーを一気に飲み干して
「ごちそーさん!」
鞄にノートと手帳をがさがさっと放り込んで、いざ鎌倉!←
ウキウキと心を躍らせて電車に揺られ、とある駅に降り立った。
地図を確認しつつ漫ろ歩いて、程なく目的地へ到着。
乾いた秋の空気に良く似合う、落ち着いた純和風の店構え。
白い暖簾をくぐれば、おもての明るさと打って変わる日本家屋独特のあのひんやりとした気配ともいうべき空気が流れる。
「いらっしゃいませ」
静かだけれど良く通る声がボクを出迎えた。
声の主は、年頃が20代後半の女性の売り子さん。
彼女は、この店構えに良く似合う、柔らかい雰囲気を纏っている。
ボクは途端に、己がなんともこの店に不釣合いな気がして居た堪れなくなった。
視線を伏せがちにして、きょろきょろと店内を見回し、
生麩饅頭6個入りの箱(自宅用)と、バラ売りで2個(サヤカと食べる用)、
それから生麩も1本(母に煮物にしてもらう用)買い求める。
「どうぞお気をつけてお帰りくださいね」
にっこりと優しく微笑んだ売り子のお姉さんは、
ボクに紙袋を手渡しながら、店の外まで送ってくれた。
「ありがとう…ございます」
なんだか申し訳ないような気持ちと、
一端の大人と同等に、丁寧に扱われたのが、少し照れくさくて。
ボクは早口に礼を述べて ぺこりと頭を下げ、店を後にした。
店から鎌倉駅までは徒歩で20分程度。
帰りは江ノ電を使わず、歩く事にする。
気温ももうそこまで高くないから、散歩にももってこいの季節だ。
ぷらぷらと歩きながら、ふと、先ほどのお姉さんを思い出す。
なんだか、雰囲気があって素敵な人だったなぁ…
ボクも大人になったら、あのひとみたいに柔らかな風を纏う大人になれるだろうか。
今はまだ何も判らないけれど、
そんな未来の自分を夢見るのも、悪いことじゃないかもしれない。
雲ひとつない抜けるような青い空。
西の空はもう、茜色に染まり始めている。
ボクはそこを渡る風を見る。
柔らかいあの風のように、これからも生きていけたら良いなぁ。
posted by 渡月・トワヤ
at 23:59:59 │
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ま、そういう日もあるのさ。
笑っていられるなら、それが一番良いね!
posted by 渡月・トワヤ
at 23:59:59 │
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テスト勉強のため机に向かっていたら、ドアのチャイムが鳴った。
「へいへーい」
ドアを開けると、そこにまいおが立っていて。
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「トワヤさん、テスト勉強捗ってる?」
部屋へ招き入れ、ボクがコーヒーを出すのを待って、まいおがそう訊ねてきた。
「ん。ぼちぼちだな」
と言いつつ、机の上に広げたままにしてあるノートを一瞥し目を逸らしたボクを見て まいおはぼそっと
「勉強一段落~と言いつつ、コーヒー片手に本読んでばっかりだったりして…!」
と図星を突いてくる。
思わずぎくりと表情が歪んだボクを見て、まいおは満足そうに笑った。
「あれっ!?」
部屋の壁一面に飾ってあるブーメランを眺めていたまいおが、
そのコレクションの中に、ボクが今まで愛用していた二つのブーメランがあるのを見つけたようで、
声を上げる。
「トワヤさんが、ブーメランを捨てるなんて…!」
信じられない、という風に頬に両手を添えて、身体をふるふる震わす。
「捨ててないっつの。ちゃんと磨いて綺麗に飾ってあんだろ」
コーヒーを啜りながら、ツッコミは忘れない。
「今度は魔道書使うって噂、ホントだったんだ!
あ、魔道書って、両手で持つんだね…」
そう、魔道書は意外と分厚く、辞典みたいな重みがある。
これで、ぶっ叩けば、筋トレにも持ってこいで…
「うん、百貨辞典みてぇに分厚いからなぁ。
あぁ、実際に『百貨辞典』を装った魔道書もあるんだぜ」
部屋の隅に積み重ねていた魔道書の中の1冊を取りだし、まいおに手渡した。
「ホント、重いなぁ…
そうだ。"炉"は背表紙にあるってホント?」
興味深々に上から下から魔道書を眺めながら まいおがそう訊ねる。
「うん。でも、カッコ悪いから、表紙の紙と同じもので装丁しなおしてる」
見たいなぁ…という表情を浮かべ、好奇心にうずうずしているまいおに絆され
「少しだけ剥がして、見てみたら良いよ」
ボクは、こういう子に弱いなぁ…
自分の弱点に苦笑い。
あとでもう一度、張り直しておかなくちゃ。
「でも、こんだけ1冊が重いと、今度のコレクションでトワヤさんの部屋の床、抜けちゃうね!」
装備=コレクションするという図式ってどうなの。
…まぁ、あながち間違いではないが、確かに床が抜けると困る。
そこでボクは、それならば、と
「あぁ、それなら大丈夫。魔道書はカードにしておくさ」
と言って、にっと笑った。
「わぁ、魔道書のカードってカッコいいなぁ!」
本好きのまいおにしてみれば、魔道書のカードなんて垂涎モノだろう。
「だろ!トレカみてーにコレクションすんの」
思いつきで言ったけれど、カードホルダーを買ってきて、並べると壮観だなぁ。
などと、想像を巡らせ、思わぬところで、また買物熱が高まる。
「あぁ、それにしても、テストって。
どうして実力テストなのに、実技もあるの」
思いだしたようにまいおは溜息をついた。
「期末テストなんざ、そんなもんさね」
コーヒーを飲み干して、さも達観したように、先輩風を吹かせてみる。
結局テストなんて、ヤマが当たれば御の字なんだ。
なるようにしかならんのだから。←違う意味で達観しちゃっている
posted by 渡月・トワヤ
at 14:58:39 │
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雨が降っている。
テストで通常より早く学校は終わるから、多分下校時にはまだ傘が必要だろう。
なんだかとても久しぶりの雨降りではないだろうか。
今年の梅雨は例年に比べて長く、結果、夏は短くなり、
気づけばもう秋の足音が聞こえてきている。
思い返すと今年の夏は夕立が少なかったなぁ。
夏は暑すぎて弱っちゃうけれど、
夕立とその後に吹く風の匂いは、嫌いではない。
雨といえば必ず思い出す、小さい頃の夕暮れの出来事。
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あれは、ボクが小学校に上がったころだったろうか。
幼馴染の家から自宅までは勾配の急な坂道だったけれど、子供の足でも1分もかからない距離だった。
ボクは一人でその道を下っていたから、多分その子の家から自宅へ帰る途中だったのだろう。
ボクの実家は高台の団地にある。
海そのものは見えずとも周囲に遮るものがない所為で、海からの風がいつも渡ってくる。
海から吹きつけるその強い風は、その坂道を駆け上って空に還るのだ。
この歳になっても、ちょっとヒールのある靴なんて履いて下れば、前に倒れてしまうような心持ちになる程の坂道。
小さい頃のボクにとって此処は、一種の難関だった。
一度こけてしまえば、後は一気にコロコロっと転がってしまいそうに思えて、いつも慎重にならざるを得ない。
その日も身体全体で風を受けながら、一歩一歩と下っていた。
「あれ?」
熱せられたアスファルトが冷やされたあの匂いが鼻先に届くのと、
背後から、パラパラっと地面を打つ音が聞こえてくるのがほぼ同時だった。
振り返ったボクの目に映ったのは、
その手をボクへと伸ばしながら、アスファルトを濡らし始めた雨の端。
「ぅわ、わ、わぁぁー!」
と転がるようにしてヘアピンカーブへ続く坂道を駆け抜け、自宅へと飛び込んだ。
結局そのカーブによって(一瞬でも)雨雲に向かう形になっちゃったから、濡れてしまったんだけれど。
下校時になっても、やはり雨は降り続いていた。
雨の日はいつも、この雨に追われた幼いあの日の自分を思いだして、可笑しくなる。
今日も雨。
ボクは傘に隠れるようにして、一人笑った。
posted by 渡月・トワヤ
at 23:59:59 │
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ザ☆一夜漬け続行中、イェアー!
(無駄に気合いが入っている)
知恵熱を出しそうになりながらも一段落したので、
コーヒーカップに手を伸ばし、棚から便箋を取りだす。
濃青のボールペンで、さらさらっと書き始めるのは、1通の手紙。
『 サヤカへ
手紙をありがとう。
住所を教え忘れるという、不義理をしてしまってごめんな。
「いつものことだ」って笑って許してくれて、感謝してる。
そっちは、元気にやってるみたいだね。
まぁ、サヤカならどこでも上手くやっていけるんだろうけどさ。
とにかく、安心だ。
そっちを離れて、もう半年経つんだよなぁ。
毎日忙しくしてる所為か知らないけれど、本当にあっという間だった気がするよ。
こっちは、学校がめちゃくちゃデカくって生徒もホントに個性豊かというか…
まぁ、良い学校だと思う。
来て良かった。
そうそう、気の合う友だちも、できたんだ。
ボクにしてみたら、かなりの進歩だと思わないか?
住まいは、学校がアッセンしてくれた下宿に落ち着いたよ。
下宿っつっても雑居ビルみたいな風体で、1ルームマンションに近いかなぁ。
プライバシーが確保されてるから、気を張らないで居られるのが嬉しい。
あと、1Fにはコンビニとかコインランドリーなんかがあって便利だし立地条件も悪くない。
今度、遊びにおいでよ。
鎌倉の街を、案内してあげる。
…と言っても、知らないことのが多すぎるけどな。
それじゃ、元気で。
また手紙を書くよ。
いきなりで悪いが今度の連休そっちに帰るから、良かったら会わないか? トワヤより 』
便箋と揃いの封筒に入れ、切手を貼って。
確か、コンビニの前にポストがあった。
毎日通っているとそれが日常の風景に溶け込みすぎて、逆に曖昧になっていくものなんだなぁ。
変な感慨を覚えながら、サンダルを引っ掛けて、ちょっとそこまで。
帰って来たら、また、残りの教科のノートを纏めないと、だな。