posted by 渡月・トワヤ
at 01:44:28 │
EDIT
ボクを取り巻く世界全部が、時間を止めてしまったかのように感じられた。
なんの悪い冗談だろう?
ボクの笑顔が凍りつく。
今日会ったら話したかったことが、全部消えた。
少しずつ近づけたと思った笑顔が、みるみる遠い存在になって。
それは自分が思い描いていた未来への軌道から、面白いほど加速度を増して離れてく、重力から自由になった小惑星みたいだ。
真っ白になった頭で考える。
自分にとって、一番大事なもの。
どうしようもないエゴだけれど、自分が一番大事で……申し訳ないが、それ以外のことは全部後回しだ。
(しかし収拾がつかなかったら、アイツのこと1発ぐらい蹴ってやらないと気がすまない!)
できることを全部やる。
やらなかった後悔だけは、したくないから。
まだこの手にも触れることさえなかったのに、
欲しくて欲しくて、止まなかったもの。
不安とか、恐怖とか、
そういうものの影に隠して気づかないふりをしていた、自分の本当の気持ち。
言葉を紡ぐのって、本当にむずかしいけれど。
正直、形振りを構ってなど、いられなかった。
長い長い一日が終わった。
少し…いやかなり、世界が変わっちまった気がする。
でも、こういうのを、人生万事塞翁が馬っていうのかな。
一日の終わりがよければすべてよし、というか。
それじゃあ、おやすみなさい。
PR
posted by 渡月・トワヤ
at 09:43:04 │
EDIT
どっせーい!
ボクの眼前に卓袱台がないのが、せめてもの救いか?今、それがあったらきっと、この掛け声と共にひっくり返しちゃってる。
なんか、こう……。
じっとしてらんなくて、心があばれだす感じ。
「あぁもぅ、なんだかなぁ!」
持つべきものは友だとは良く言ったものだ。
なんてボクは幸せ者なのだろうか。
もう、笑うしかないじゃないか。
(一人、部屋でへらへらしている)
posted by 渡月・トワヤ
at 15:17:15 │
EDIT
さわやかな風が吹いている、と。
それが、ボクのおかげだと、先輩が言う。
いきなり名指しされテンパったボクは、もうすでに梅雨真っ只中であることを承知していながら、苦し紛れに
「な、なに言っちゃってんの!それ、ボクの所為じゃないよ。風薫る季節って言うじゃんか!」
と口走る。
実際にボクが何かしたという自覚はなく、そう言われて正直なところ面食らったし、なんだかわかんないけれど、ボクのおかげだなんて、そんな…
気付くと耳まで熱い。
「薫風は先月の時候の挨拶だぜ」
ふっと微笑って指摘することは尤もで、ボクは言い返す言葉を失ってしまった。
ちょっと悔しい。ちきしょう。ぐうの音も出ないとはこのことか。
重ねて言うが、ボクのおかげだなんてことは、ない。
一緒に行ったプールでは、ジェットウィンドも浄化サイクロンも吹かせていない。あえて言うなら今吹かせてるのは炎風、熱さこそ感じてもさわやかさとは程遠いと思うんだ。
うまく言葉にできなくて先輩を見つめても、当の本人は笑っててなんだか楽しそうだし、その笑顔を見てたら、何を言っても、意味がない…いや、敵いっこない気がしてきた。
まぁ、いいか。
ありがとう、と言ってくれてるのだし、ボクも どういたしまして と笑うことにする。
でも、変なの。
こんなに毎日雨が降り、たとえ雨が降っていなくても、絞ればポタポタと雫が垂れてきそうなほど空気は湿り気を帯びていて、さわやかさもへったくれもないのに。
相変わらず微笑んでボクを見つめる先輩を見つめ返し、ボクは傾げる。
……悪い気はしないから余計に、いったいどんな顔をしたらいいのか、判らなくなってちょっと困ってしまって変顔になる。
世の中には、わかんないことの方が多い。
一番近いはずの自分の心ですら、そうだもの。
考えたってしょうがないことは、いっそ考えないに限るって思い至り、今はちょっとややこしいことを考えないで、感じたままを受け止めようと決めた。
折りよくプールへ誘ってくれ、それをきっかけにするように何かにつけてボクを構ってくれる先輩のおかげで、ボクは楽しいと感じる日が増えた。
そう、笑って過ごす日々が多くなったと思う。
”幸せだから笑うのではない。笑えるから幸せなのだ。” という言葉を噛み締める日々。
だから、先輩には感謝してやまない。
posted by 渡月・トワヤ
at 23:59:59 │
EDIT
思わず視線で追ってしまう。
そのまっすぐできらきらの笑顔を。
ふとした会話にドキッとし、
自信に満ちた力強いことばに、知らず目を細め──
自分の勘違いと、
それが物語る事実に、くしゃりと顔をゆがめる。
気取られないように俯いて、
痛みを、
震えを、
やり過ごす。
そして頭の中で繰り返すのは、戒めのことば。
……違う、違う、違う。
これは恋なんかじゃない。
誰かを好きになるのは、怖い…怖いよ。
posted by 渡月・トワヤ
at 15:03:03 │
EDIT
今年の梅雨は、本当に梅雨らしく。
と言うとちょっと語弊があるけれど、去年とかに比べて雨が良く降ってくれている気がして。
鎌倉といえば、紫陽花。
ボクがこの地に来て、もう3度目の紫陽花の季節。
昼ご飯を終えて、ボクは図書館へ向かった。
お気に入りの青い空が広がる蝙蝠傘を広げ、レインブーツを履いて。
民家の軒先にも、公園にも、至るところで紫陽花は咲いており、ともすれば灰色に染まってしまう街を彩ってくれる。その色彩は、雨上がりの虹にも、どこかしら似て。
雨のカーテンが周囲から音らしい音を奪う。
時折通り過ぎる車の、ザザーっと水たまりの水を跳ね上げるのや、屋根や地面に、また街路樹の葉に落ちる大小の雨だれ、傘に撥ねる雨音はパラパラと小気味よく、ボクの耳には、まるで雨の協奏曲が届いてくるみたいだ。
その静けさに、ぼんやりと思い出す、先日のこと。
そこまで深い意味などなかったのだと思う。
なんとなく交わしていた会話が途切れたその一瞬に、ふと「風が冷たくなってきたなぁ」なんて言うような調子で発せられた言葉。
その目に見えた事象を ──まぁ風は目に見えないけれども── そのまま受け止めて口にしただけのような言葉はまっすぐだったから、この胸に突き刺さるにはこれ以上ないほどで。
ボクは思わず眉根を寄せ、そして、その苦さを気取られないように、そっと顔を背けた。
今更、痛さを感じている自分にも戸惑ったけれど、その言葉が、本当に何の感慨も持たずに「ただ、それだけのことだよ」と(まぁ、相手からしてみたら本当にそれだけのことなんだろうけど)言っているみたいで。
「あぁ、やはり…そうなんだよなぁ…」と、目の前の霧を吹き飛ばされたように感じ、それによって今まで自分がずっと霧の中にいたのだということに気づいて驚いてしまった。
もう、とっくに振り払っていたと思っていたのに。
そしてその言葉は、言外に「ほら、もう前を向いてもだいじょうぶだろう?」とでも言うようだった。
まるで、強くて優しい手がボクの顎をくっと持ち上げてくれたかのように感じられた。
促されるように視線を上げれば、嘘みたいに眩しい光があふれていて、なにより暖かかった。
はっと気づくと、あまりにぼんやりと歩きすぎていたせいで、うっかり図書館を通り過ぎそうになっていた。
「おぉぉ」と慌てて引き返し、誰が見てるワケでもないのに、頭を掻いてエヘヘと笑って誤魔化しながらエントランスで傘をたたんだ。
本当に、もうこれで。
きっかけを与えてくれたあのひとに、
いつかちゃんと、ありがとうと言えたらいいなぁ。
きっと、ありがとうって言っても、頭の上に「?」を浮かべてきょとんとしてそうだけれど。
その表情を思い浮かべると、ボクは少しおかしく感じられて、くすくすと笑った。