posted by 渡月・トワヤ
at 19:44:25 │
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嘗てより決めていたこと。
春って季節は、移動に適してるのかなぁ。
それはまるで、春風のように ふうわりと。
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晩飯の準備をしているころ、入寮届が無事に受理されたと、連絡がきた。
もともと引越すことは決めていたのだけれど、ぎりぎりまで ─ まぁ、今もこうして飯など作っているワケで ─ 普通に生活していたのもあって、荷物が詰め込まれた段ボールはまだ数えるほどしかなく、それも中に何を入れたか書けないでいたので、ふたをすることもできず床に置かれたまま。
この調子だと、しばらくは、紫陽花会館と白銀寮とを行き来する生活になるだろう。
まぁ、来週には、後期の期末考査もあるし、その後で本格的に作業するかな。
荷物を運ぶの、恭一も手伝ってくれるって、言ってたし……こういうとき、男の子ってすごく頼りになるなぁって、思う。
夕飯を済ませたボクは、洗面用具や当面の着替え、勉強道具や数冊の本だけをキャリーバッグに詰めたところで、ぐるりと部屋を見渡した。
思えば丸二年、ボクはこの部屋で暮らしたことになるわけだ。
…いろんなものが増えちゃってるなぁ。
知らない間に増えていた本や雑貨に、ボクは薄く苦笑する。
だけどそれはそのまま、ボクが此処に確かに生きていた証。
窓辺に吊るした何個かのサンキャッチャーのうち、月の形のクリスタルオーナメントと、”Rainbow Maker”の名にふさわしい7色のクリスタルが連なったヤツを外して、鞄に入れた。
さっそく、新しい部屋の窓に吊るそうと思って。
今度生活する寮は、恭一が住んでいるところ。
何度か彼の部屋にお邪魔した際に見かけた、雑談室で談笑する皆の雰囲気がとても良く、まるで常春のようだと思った。
「みんないい人たちそうだね」
ボクがそう零すと、
「ああ」と恭一も少しうれしそうに笑ったっけ。
ふんわりとして、暖かい。
ボクはその雰囲気に甚く惹かれた。そしていつしか、自分もその仲間になりたいと思いはじめていたのだ。
ボクは新しい部屋の様子を思い描く。
春風に揺れるカーテンは、ミントグリーンが良いな。
陽射しを集めて零れるプリズムは、床に広がって、
ボクはそこで、大好きな本を読むんだ。
隣には、恭一が居て、やさしく微笑んでいるかな。
そんなふうに穏やかに。
春の陽射しのように柔らかく暖かく、これからのボクの生活が降り積もりますように。
posted by 渡月・トワヤ
at 12:13:52 │
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文字が読めなくったって、好きなセンテンスならばいくらでも諳んじることができる。
自分の心が確かならば、それでいい。
posted by 渡月・トワヤ
at 11:39:58 │
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雨の月曜日。
カーペンターズでそんなタイトルの曲があったっけ ── 。
ポーランドから帰ってきて、未だ文字がさっぱり読めないボクは、それでもそれなりにこの状況を楽しんでいた。
まぁ、それも前もって知っていたからこその余裕。
今日から普段どおりにガッコに登校したものの、誤魔化すのが下手くそなボクを心配した恭一は「授業は引き続き偽身符で受けたほうがいい」と勧めてくれ、ボクはそれもそうだと従うことにした。
「昼飯を一緒に食えないのは我慢するとしても、下校ぐらいは恭一と一緒にしたいから校門前で待ち伏せるよ!」
ボクがそう言うと
「待ち伏せって……昼休みは、屋上で待ってればいいだろう」と笑った。
わ、恭一って頭いいなぁ!
そんなこんなで、ボクは今ガッコの屋上に居る。
先日まで春の陽気だったのに、今朝はこの雨のせいか少し肌寒くて。
雨をしのぎながら、携帯音楽プレイヤーで音楽を聴き、空を見あげて考え事。
他にできることって、ないんだもの。
── それでも、今此処にボクが居るのは、少しの時間でも彼の傍にいたいからだ。
「屋上で待っていればいいだろう」と笑った彼の言葉を聞いたそのときは、ただ単に「良いアイディアだな」って思ったけれど。
もしかしたら恭一も、ボクと同じ気持ちで居てくれているのだろうか。
だとしたら、ボクは………
ちょうどイヤホンから流れてきたのは、お気に入りの曲。
この曲を初めて聴いたのは、恭一と初めて手をつないだころと、前後する。
しかもなんだか、恭一が作ったんじゃないかと思えるような、
あるいは、
恭一にこう想われたいな、というボクの願い。
ボクはこの歌が大好きだ。
それはとても、やさしくて、おだやかな、あいのうただから。
posted by 渡月・トワヤ
at 15:20:16 │
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反作用?
まぁ、いいや。どっちにしたって字が読めないってのはホントみたいだしな。
喋れなくなるワケではないのが、せめてもの救いだ。
しかし、人間「ダメ」だと言われると、やりたくなるもので、
今朝から何度も、書棚に並んだ本に、無駄に手が伸びちまう。
開くたびに頭の上に巨大な「?」が浮かび、なんだか悲しくなって書棚に渋々本を仕舞うことを繰り返す。
まぁ、でも。
こういう時の「Flowers」!!
まいおと去年……あ、もう一昨年か、一緒に出掛けた、とある廃校の図書室に眠っていた蔵書から手に入れた、花の図鑑!
表紙の花の絵の美しさに一目惚れして手に入れたものなのだけれど、買った後で、UKで発行されたものだったと知った。もちろん、解説は全部英語なわけだ。まぁ、元々(あんまり)解読できてなかったし、文字が読めなくたって関係ないんだ。むしろ、堂々と絵だけを眺めていられる!
収録されている絵は、どれも皆こんなに美しいのだから、それだけでも繙く価値はあるんだ。(と半ば自分に言い聞かせている感じで)
久しぶりにのんびりと過ごす日曜日の午後。
珈琲に蜂蜜を垂らして、ミルクを注ぐ。
蜂蜜は砂糖より、優しい味になるんだと知った。
ボクは花の図鑑をゆっくりと眺めながら、コーヒーを啜る。
窓辺につるした月の形のクリスタルオーナメントがサンキャッチャーのように陽射しを集めて、きらきらのプリズムを床に散らしている。
ボクのサンクチュアリ。
柔らかな午後。
posted by 渡月・トワヤ
at 14:47:43 │
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帰国一日目の昨日は時差ボケ祭り。
長旅の疲れでフラフラだったのにもかかわらず、結局27時頃まで眠りにつけなかった。
が、ダラダラと身体の赴くままに惰眠をむさぼるのはいかがなものか!
光陰矢の如しというではないか!
…と思うはずなどないんだけれど、7時前には目が覚めた。
まぁ、コーフン状態で、寝られなかったっていうだけなんだけどな。
なんとなく、テレビをつける。
ちょうど天気予報をやっていた。
気圧配置図を表示した後、「各地の天気です」というお姉さんの声が明るく響く。
しかし、神奈川県の地図であるはずなのに(形がそうだから、神奈川だと思った)
なんだかおかしな記号が並んでるだけ。
「放送事故なんじゃないのー?」
ボクはしばらくぼんやりしていて、気付かなかった。
テロップだけじゃない。
本棚に並んでる本の背表紙にも、見たことがない記号が羅列されているのに気付いた。
これが、カラスの紅茶の副作用、か……