posted by 渡月・トワヤ
at 02:22:36 │
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読んだ本、聴いた曲。
その時感じ取ったことを、恭一に話すのが、ボクは好きだ。
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彼は、時折相づちを打ちながら、ボクの言葉ひとつひとつをかみ締めるように聞いてくれる。
だから、ボクは安心して(小学生の読書感想文より酷いけど)思いついたままの気持ちを口にすることにしている。
心で感じたなら、心で言葉にする。
語彙が少なくて、ちょっとずつ軌道修正をしたりもするけれど。
感じた温度をそのまま伝えたい。
聞いてほしい。
ボクのこころを。
きっとそれは、彼の思いとは違っていることだろうと思う。
そもそも男と女なのだ。
それだけでもかなりの違いがあるはず。
にもまして、生まれた場所も、育ってきた環境も違うんだから、違って当たり前なのだ。
一緒だって思うときはそりゃ嬉しくなっちゃうけれど、それでも全部が同じなんて。
同性の友だち同士でもキモチワルイしありえない。
だからこそ、ボクらは違っている事柄について時折話し合う。
感じたことや思っていることを差し出し差し出され、まるでプレゼント交換をするように、やり取りする。
恭一の考え方や価値観を自分の中に住まわせることで、ボクは彼の視点と共に物事を見聞きし、多角的に捉えられているように思う。
それはそのまま、自分の人間としての、度量の大きさになるような気がするんだ。
大事なギフト。
これからも、たくさん交換していきたいなあ。
posted by 渡月・トワヤ
at 13:49:40 │
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昼食を済ませると、読みかけの本を開いた。
図書館への返却期日は1週間先だけれど。
このところの知識欲とでもいうのか、早く次を借りて読みたい気分でいっぱいなのだ。
…そもそも、お目当ての本には、未だフラれているし。
一章が終わったところで、ふぅ、と息を吐き出して、顔を上げた。
今日は曇りの天気の所為か、やけに冷え込んでいる。
窓からの明りだけでは部屋の中は充分に明るくならないし、その薄暗さがまた、肌寒さを増長させているようにも感じられる。
ボクはスタンドライトを点けた。
今頃、何をしてるかなぁ。
ボクは恭一を想う。
ボクが想うように、今、彼もまたボクを想ってくれているとしたら。
その幸せな奇跡をボクはなんと呼べばいいんだろうか。
ボクはまた、ページを繰る。しばらく読み耽っていたときに、ふと、指先が冷えていることに気づいた。
…道理で、どうも読みづらかったはずだ。
ほぅと指先に息を吹きかけ、ゆっくりと両のてのひらをこすりあわせた。
秋が終わりを迎え、入れ替わりに冬がくる。
紅葉はますます色を深め、ひらひらと風に散っていく。
これを読み終わったら、散歩に出かけよう。
図書館によって本を探し、スーパーでころんとした小さな焼き芋を二つ買って、恭一に逢いにいこう。
posted by 渡月・トワヤ
at 15:55:12 │
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赤く色づいた街路樹の下を歩きながら、考える。
昨日は思わず「りんごでも剥こうか?」と訊き「病人じゃないんだから」と苦笑いされちまった。
生きて帰ってきてくれたという安堵とは逆に、やっぱり…動揺していたみたいだ。
傷は痛むだろうけど心は元気みたいだから、時間を持て余しているんじゃないかなぁ。
お見舞いに、本でも持っていこうかなぁ。
「まだ、痛むよな」
昨日の今日で当然なのだけれど、つい訊ねてしまう。
「幾分、良くはなっているよ」
彼の笑顔が、嬉しい。
包帯の巻かれた腕に触れるのは憚られるから、彼の左手のひらをボクの両のてのひらでそっと包み込んだ。
「早く、良くなるといいね」
そしたら、また寒い夜道を散歩しよう。
吐く息が白いと言って肩を竦め、眠そうに目をこするボクの手を引いて
「…しょうがないな」
とやさしく笑っていてほしい。
posted by 渡月・トワヤ
at 23:00:33 │
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恭一が依頼から帰ってきた。
無事に、とは言いがたいけれど…
こうして再び逢えたことが、
ボクは、ただ ただ 嬉しい。
……帰ってきてくれて、ありがとう。おかえり。
posted by 渡月・トワヤ
at 22:09:08 │
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先日行ってきた、山奥に出現したオウサマペンギンっぽい妖獣を退治する依頼の内容をまとめたレポートが今日渡された。
やはり、あのふかふかした腹には皆、どうしても惹かれてしまっていたようで、ある意味強敵だったけれど、最後まで誰もその誘惑に屈することなく済んで、本当に良かった。
おかげで、誰も深手を負うこともなく揃って下山することができたのだ。
あの妖獣が、もし正常なる輪廻の輪に戻れているのなら。
次こそは普通の大きさで、仲間と共に暮らせる場所へ生まれてほしいものだと思う。