posted by 渡月・トワヤ
at 00:05:59 │
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今夜も冷えこんでいる。
ミルクティでもご馳走しようかと思い立ち、台所に立って鍋に湯を沸かしていた時。
「あ、そうだ。お湯を少しもらえるかい?」
背後からの恭一の言葉に、若干首を傾げつつも、
「うん、良いよ。どれぐらい要る?」
返事はしたものの、何に使うのか、ボクはさっぱり見当がつかなかった。
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「カップ2杯分でいいよ。」
このことばで、あぁ、と合点がいった。
「それから、カップももらえるかい?」
「はいよ」
食器棚から、適当なカップを二つ、とりだして。
っと、鍋の中で、茶葉がいい具合にくるくると躍りはじめている。
湯とカップを恭一に任せて、ボクはまたミルクティに集中する。
香りが充分立ち上ったところで、ミルクをくるりと注ぎいれる。
吹きこぼれたら、台無し。
再度軽く沸騰させたら、火を止める。
……こんな風に、ふたりで台所に立つのって、なんだかちょっと意識しちまう。
「カップ温めるの、すっかり失念していたよ。ありがとうな」
ボクの言葉に恭一は
「前に従姉弟から、これが重要なんだって言われたんだ」
と微笑った。
次からは、ボクも気をつけよう。
せっかく恭一と過ごす時間のために作るのだから、より美味しい方がいいに決まってる。
そのための、ほんの一手間。
ミルクティが出来上がるころ、カップも程よく温まったようだ。
カップのお湯を捨てたらミルクティを等分ずつ注ぎ入れて、テーブルへ。
「恭一は猫舌?」
こんなことですら、ボクは知らないのだ。
もうずっと一緒に居るような居心地の良さがあってつい忘れちゃうけれど、こうして二人で居るようになって、まだ2ヶ月も経っちゃいないんだから、知らなくて当然のことなんだよね。
こうして知っていく些細なことが、ボクのなかで雪のように静かに、とても暖かく降り積もってく。
ボクはそれを、ひそかにしあわせと呼ぶ。
posted by 渡月・トワヤ
at 01:38:30 │
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posted by 渡月・トワヤ
at 08:30:57 │
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不安はある。
失うのは、怖い。
でも、ボクにしかできないことがある。
あのときみたいに、笑顔で大丈夫だよ、って笑ってあげること。
だってさ。
そんなトコでくたばっちまったら、
ボクに追いつくことなんざ、一生できねぇぞ。
きみには帰る場所がある。
だから、とびきりの笑顔で
「いってらっしゃい!」
posted by 渡月・トワヤ
at 23:58:34 │
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GTデートの帰り道。
さっきの一場面が脳裏に焼きついて離れない。
侵入者を許すまじ、と怒涛のようにボクらめがけて、ゴーストが押し寄せてきていた。
前衛が食い止めるものの、全てを押さえることなど到底無理なこと。
その隙間を縫い、1体のゴーストがボクへとかかってきたのだ。
ブーメランで応戦していたが、ちょっとした隙に、わき腹に強烈な一打を見舞われ、ボクは身体を折り曲げるようにして、ふらついた。
あおとボクとで一人前。
実際のボクは紙装甲なのだ。
祈りを捧げてくれるはずのあおは、少し前の戦闘で斃れてしまっていた。
そのことが、ボクをさらに追い詰める。
次の一撃を見舞われたら……ボクの魂は肉体を凌駕するか?
それは博打にも似ている。神の采配ひとつなのだ。
── やられる!
じっとりとした、いやな汗が背中を伝った。
刹那、ボクとゴーストの間に割って入ったのは、ボクと共に後衛に居た恭一。
立ちはだかるや否やタクトを振るうと、燃え盛る魔炎でゴーストを輪廻へと導いていった。
「…無茶をするな」
「ん。助かったよ」
まだ痛むわき腹を擦りながらも風を巻き起こし、残りのゴーストも闇へと屠った。
生き長らえたことは、この痛みが証明している。
隣には、恭一が居る。
まだまだ、ボクより弱いって言うけれど。
きみは、ボクだけの、ガーディアン。
posted by 渡月・トワヤ
at 23:59:59 │
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フルるんの部屋に、遊びに行った。
「今日は冷えますね」
そう言って、温かくて良い香りのするお茶を淹れてくれた。
ふんわりと、甘くてすっきりとした花の香り。
彼女の周囲には、穏やかで静かな時間が流れていると思う。
月が青白く輝く夜の雰囲気。
SWEEEETedで音楽の話が盛り上がってて。
「ウキウキしちゃいますね」
フルるんが言う。
ボクも彼らのおかげでさまざまなジャンルの音楽を聴くようになったと話した。
そう話しているうちに、最近、ボサノヴァの持つ、ちょっと気だるくて、でも明るい雰囲気がいいな、とCDを借りたりしてたことを思い出す。
そして、これはただの直感なんだけど、きっと、彼女もボサノヴァを好きなんじゃないかと思った。
「最近ね、ボサノヴァを聞くんだ」
とあるアーティストの名前を出しながら、そう切り出すと
「私も好きです」
という答え。
あぁ、やっぱりね!
歌詞とか意味が良くわからないしまだ聴き始めたばかりだから、ボクには好きな曲といえるようなものがまだないのだけれど、彼女が、お勧めを教えてくれた。
なるほど、と手帳にメモを取るボクを見てフルるんは
「なんだか嬉しいです」
と、にっこり笑ってくれた。
芳しいお茶から立ち上る湯気が、ボクらのおしゃべりに合わせて、ゆらゆら揺れる。