posted by 渡月・トワヤ
at 16:00:01 │
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──目を開くと、テントのクリーム色が、はたはたと風になびいていて、
ここはどこだろうか、とまだぼんやりする頭で考える。
確か、ボクは。
六鬼の砦にむかって…それから……アイテテ。。。
体を動かそうとすると激痛が走り、ボクは思わず眉根を寄せた。
彼は、無事なのか。
少しのヤな予感が脳裏を過ぎる。
と、新たにボクの横にまた、けが人が運び込まれた。
ケガがよほど酷いのか、その人は小さく呻いていて…だけど、まさか。
「え?」
ボクの声に、こちらを向いた相貌。
とたんにあふれて止まらない感情の渦。
生きていてくれてよかったという安堵感と、心配をかけてごめんね、と。
彼は顔をしかめた。痛むのだろうか…
「…すまない」
「ボクこそ…ごめん。しくじってしまった」
ここでの邂逅が、奇跡に思えた。
互いが、生きててくれて良かった、と、同じ気持ちでいるのだ、と、言葉なんかなくても、理解った。
この腕さえ痛まなければ、その額に触れる髪の毛を払ってやれるのに。
ボクは精一杯で笑う。
「…やるだけやったから、それでいいよ」
君の前では、笑っていたい。
けれど、ごめん。
もう、これ以上は、胸がいっぱいで。
ボクは泣き顔を見られないように、眠りに落ちたフリをした。
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posted by 渡月・トワヤ
at 12:03:17 │
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帰りたい場所は、ただひとつ。
今は、ただそのためだけに、
尊く清き風を、吹かせるのみだ。
自覚したときにはもう、心にはいつも君が居て。
時間の長さなんて、関係ないと、初めて知ったよ。
ボクの欲しかったもの。
ボクの心からの望みを。
君が全部、余すことなくボクにくれたことを、君は知らない。
君が口にすることばや やさしさのひとつひとつ、
それが、ボクの中に穿たれたいびつな穴に、すとんと落ち着いていった。
長い時間をかければ、そういう折り合いがつくことだってあるのは知ってたけれど
ハナからするりとはまるなんてこと、あるはずがないから、
てっきり、君は気づいているものだとばかり、思っていたんだ。
あ、でも待てよ?
言ってないから、判るわけもないかー!
(戦闘がひとしきり済んだときに、はっと気づいたようだ)
posted by 渡月・トワヤ
at 09:19:04 │
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怖くないといえば、うそになるけれど、
生きるために戦うのだ。
人は、守るべきもののために強くなる、という。
ボクはそのことばに、些かの疑問を覚えなくもないけれど、
難しい話は、すべてのことが終わってからで。
昨日の夜、まいおが設置してくれた、結社の給水所の椅子に座って、
確実に成功するイメージを、何度も頭の中で繰り返し思い描く。
よし、だいじょうぶ。
ボクらは、一人きりじゃない。
信じあう仲間が、こんなにたくさん居るのだから。
「よし、行こう。互いの武運を祈るよ!」
ボクはテーブルの上のチョコをひとかけ、ひょいと取り上げて戦地へと向かう。
posted by 渡月・トワヤ
at 00:08:30 │
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履きなれたブーツ。
手に馴染んだブーメラン。
いつも持ち歩いてるのは、去年の誕生日に友だちがくれた、蓮の花の彫り物がしてある、懐中時計。
ボクは蓋を開くと、丁寧に折りたたんだ紙を一片、その中に仕舞いこみ、ぱちり、と閉じた。
これはきっと、ボクの命を繋いでくれるお守りになってくれるに違いない。
祈りにも似た願いは、どの空の下でも変わらない。
posted by 渡月・トワヤ
at 23:03:24 │
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…明らかに選曲ミスだ!
こんなときにこんな曲、聞くもんじゃない。
なんとなく懐かしくなって、地元に居たころによく聴いていたアーティストのCDを引っ張り出して、聴いていたんだけど、やっちまった感ひしひし。
音楽って、不思議だ。
聴かなくなって久しくても、簡単に色々なものを記憶の引き出しから取り出せちまう。
曲と一緒に取り出されるものは、当時の感情や匂いなんかの、諸々な付属品。
だいぶ、当時から時間が経っていたおかげで、
その感情は生々しくはなかったものの、なんだかこう~……胸の中で、黒と灰色のどろりとした液体がぐるぐると渦を巻いている感じの…なんともいや~な感情の残骸だけが、浮かび上がる。
もうちょっとハッピーなヤツ、聴いとこう。
携帯プレーヤーにも入れておこう。
(そそくさとCDを入れ替えた)