posted by 渡月・トワヤ
at 13:27:35 │
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ガッコからの帰り道。
昨夜の雨で、桜がだいぶ散ってしまったようだ。
まだしっとりしているアスファルトに、薄桃色のじゅうたん。
春の陽気に当てられてなんだかぼんやり過ごしてるうちに、新学期が1週間過ぎていた。
木蓮もいつの間にか散っちゃって、枝の先には柔らかい黄緑色の若葉がカオを覗かせているし、ミモザも花が落ちているし。
(今年こそ、ミモザの香りを嗅いでやろうと思っていたのに…!)
派手に枝を伸ばした連翹の脇を通り過ぎ、街路樹の下に植えられているツツジがちらほら咲きだしているのを横目で眺めた。
民家の石垣をシバザクラが覆い、花蘇芳の鮮やかな濃いピンクが視界にちらり。
軒先のプランターにはチューリップやムスカリ、プリムラなんかが植えられている。
こういうのを百花繚乱って言うんだな。
雨の後だからなのか、外気は花弁にふれたときのように少しひんやりとして。
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posted by 渡月・トワヤ
at 16:42:17 │
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今度ボクが行くのは、泣いている小さな子供に引き寄せられる自縛霊が現れるという公園。
そこは、戦時中に空襲によって焼き野原になったいわくつきの場所なのだそうだ。
残留思念は、その時に子供を失い、自身も時代の大きなうねりに呑まれれしまった母親のものではないかという話だった。
ボクは思う。
自分の子供を失った哀しみってのは、学生のボクらがいくら推しても解るものではない。
冷たい言い方だけれど、実際の身に起きなければ本当に解るなんてことないんだと思う。
その哀しみに寄り添うことはできるかもしれないけれど…
薄い水の膜を通して観る物語のように感じてしまうんじゃないかなぁ。
だからって、それが許されるわけじゃない。
新たな哀しみが生み出されるまえに、
その存在に気づいたボクらが、終わりにしてあげるべきなんだよね。
ボクら能力者が、できることをする、ってこういうことじゃないかな、って。
posted by 渡月・トワヤ
at 21:12:06 │
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(無事に!)進級が決まったと、ガッコから連絡が来た。
通知を開いて中身を確認する。
えぇと、ボクは~…今度もまた8組。あ、でもキャンパスは、神楽山ってところだ。
1年のときの星宮といい、神楽山といい、綺麗な名前だよなぁ。
この1年で、知り合いや友だちが結構増えたし、誰かとおんなじクラスになったら楽しいかな。
いやもう、贅沢は言わない。同じ8組なら、どこだっていいや!
(そしたら、運動会のチームが一緒になるんだったよね!)
ついぞこの前、「このクラスは最高だったね!」と五十鈴と話をしたけれど、
新しいクラスもまた、楽しい友だちがたくさん出来るといいなぁ。
それでも、席順なんかは、5日にならないと判らないみたい。
あ~、もうちょっとで春休みが終わるってことだけど、せめて新しい席も居眠りがしやすい日当たりの良い席だといいなぁ…あ、廊下側もいいな。チャイムと同時に学食へダッシュして、人気で品薄のパンを買うのだ。
うーん、神楽山。
神楽山…かぐらやま…かぐやま…(思考が違う方へ行きかけたようだ)
神楽山キャンパスってどの辺だろ?
新学期早々、迷って遅刻ったりしないように、天気が良けりゃ明日あたりにでも、新しいキャンパスに一度散歩がてら行ってみようっと。
posted by 渡月・トワヤ
at 23:59:59 │
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たぶんもうちょっと待てば、もう少し良いブーメランが持てそうな気がする!
機械仕掛けの三日月をベースにするか、
殯ノ笛か、ハヤブサを使ってもいいかも…
倉庫にも、眠ってるヤツがたくさんある。
あれをカスタマイズするのも、気持ちイイだろうなぁ。
ボクはにまにましながら、手帳に思いついたことをメモした。
陽エアも気になるから、洋服はもう少し待つことにしようっと。
うぅ~ん、悩むなぁ!
posted by 渡月・トワヤ
at 14:45:37 │
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ゼンが依頼から帰ってきた。
また(!?)包帯ぐるぐる巻きの姿になったという情報とともに。
命があるだけ、マシとも思う。
依頼自体も、成功したようだし。
しかし、こういうのって何度経験しても、慣れないもんだ。
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ゼンの家には何度か坐禅を組みに来ていたりもするので、ご家族にも面が割れている。
出迎えてくれたおじさんは、
「禅は部屋で寝ているから」
と、あとはご自由に、とでも言わんばかり。にっこり笑って、彼の部屋の方を指差した。
「ありがとうございます」
ボクはへこっとお辞儀して、廊下を進んだ。
「ゼン。ボクだよ…トワヤ。起きてるかな?」
障子をノックするワケにもいかず、ボクは廊下に立ったまま、声をかけた。
すると、ごそ、っと 軽く布ズレのような音がして
「…あ、はい。起きてます」
ゼンの声を確かめて障子を開くと、彼は何とか起き上がろうとしているようだった。
「わゎ、無理に起きるなよ!すぐ帰るから、横になってろ!」
ボクは驚いたので、大きい声を出してしまう。
「…すみません」
ゼンは申し訳なさそうに少し笑うと、再び身体を横たえた。
「傷、痛むよなぁ…」
布団の脇に腰を下ろし、彼の顔を覗き込みながらボクは尋ねるともなく口にする。
「…あはは、またやっちゃったー…って感じですよ」
ゼンは、ほぅ…と息を吐き出して、苦笑いする。
ボクに出来ることはないかなぁ…
「なんか欲しいものあるか?」
そう言いつつ、鞄の中の財布に手を伸ばし、こっそりと中を確認。
「…あんまり高いモンはダメだけど、ハーゲン●ッツのアイスぐらいなら買ってきてやるよ!」
高熱を出してるのと混同してしまっている気がするが、気にしては負けなのだ。
「…えっ、ハーゲン●ッツ!?」
ボクのことばに、ゼンの目がきらきらっと輝いた。
「…あ、いえいえ、…一人暮らしの渡月さんにそんな申し訳ない…」
と遠慮するのかと思いきや、
「ドルチ●のミルフィーユの方が好きだなんて、そんな」
ちゃっかり強請られた。
「ドルチ●のミルフィーユ…。知らんな。よし、待ってろ、買ってきてやるよ」
品名などを忘れないように手帳に記すとにっこり笑い、ボクは一旦部屋を後にした。
「ハーゲン●ッ……」
追いかけてきたゼンの声は、まったくボクの耳には届かなくて。
かくして、コンビニのアイスクリーム売り場のケースの前。
手帳と棚とをお辞儀人形みたいに、何度も見直しているボクがいた。
「…なにこれ、ちょっとお高いじゃありませんか!」
思わず育ちが出てしまった。いや、何を混乱しているんだボクは。そもそもこんなお上品なことばを使うような育ちではないじゃないか。落ち着け落ち着け。
確認したはずだったんだが、どうやら500円硬貨と100円硬貨を見間違えたらしい。
そして、仕送り前のボクの財布は、野口さんさえ一人も居ないのだ。えっへん!
…。
買ってきてやると言った手前、どうするか──
:::::::::::::::::::
「ゼン~、買ってきてやったぞー♪」
ことさら明るく声を上げて、彼の部屋に入る。
「…あっ、本当にありがとうございます」
寝てばかりいるのもつまらないと、少し起き上がっていたところのようだった。
上体を起こしたゼンは、にっこりと笑って、ボクを迎えてくれた。
「礼には及ばんよ」
袋から取り出したのは、2本のガ●ガ●君。
「諸事情でこれになっちゃった♪」
うへへっと笑うとボクと、
しょうがないなぁ…と言いつつ穏やかに笑うゼン。
1本をゼンに手渡して、
「あたりが出たら儲けモンだぜ」
そう言うと、ボクはパッケージを開けた。