posted by 渡月・トワヤ
at 23:59:59 │
EDIT
夜、コンビニ前にて。
ぷらぷらと散歩(という名目の狩り)から帰ってくると、フルるんが立っていた。
彼女は帰ってきたボクに気づくとにっこり笑って手を振る。
ボクはそれに応えるように少し手を上げて彼女に駆け寄った。
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彼女はボクを訪ねて来たはいいけれど、ちょうど(狩りに出かけてて)留守だったので、どうしたものかとコンビニ前で思案していたところだったのだという。
彼女が諦めて帰ってしまう前に、ボクが戻ってきて良かった。
「ここじゃなんだし、ボクの部屋に来る?」
コンビニで菓子を買い、コインランドリーで終わった洗濯物を取り込んで、ボクの部屋へ。
コーヒーを淹れ、彼女にマグカップを手渡し、
「ごめんな、洒落たカップなんてないんで」
とバツが悪そうに笑うと、
彼女は「気にしないでください」と微笑んでくれる。
(明日、ちょっと良い食器でも買いに行くかなぁ…
そんなことをぼんやりと思う。
来週から彼女は修学旅行に出る。
行き先は沖縄だそうだ。
しかしその前に、この紫陽花会館への引越しという一大イベントも待っていて、慌しくなりそうだ。
「きっちり手伝うから、任せとけよ!」
にっかり笑って、力こぶを作ってみせる。
うふふっと彼女の笑顔が揺れた。
そういえば──
彼女は、料理が得意だって言ってたなぁ。
ボクはあることをひらめいた。
「なぁなぁ、お願いがあるんだけど」
「はい、なんでしょう?」
コーヒーを一口啜り、
「来週、フルるんが此処に越してきて、それからすぐに修学旅行だろ?
それで、帰ってきてからで良いんだけど」
視線を一度落とし、それから顔を上げて
「フルるん、料理が得意だって言ってたから。
もし良かったら、食事のお呼ばれっこしない?」
一人で食う食事も、なんか味気ないなぁと思い始めていたところだった。
彼女はその申し出に、わぁと手を叩き
「ぜひ、喜んで!」と乗り気になってくれた。
好き嫌いはあるかとか、どんなものが食べたいかとか、互いにリサーチ。
そこでもう一提案
「そうだ、第一回目のお呼ばれは、「それぞれの国のお袋の味」ってテーマでどう?」
すると彼女は
「わ、素敵です。お野菜たっぷりの煮ものなんて食べてみたいかも」
彼女はまだ、日本に来て1年目だし、
日本の味って、あまり馴染みがないかもしれないけれど、
きっと彼女なら、気に入ってくれるはず。
かたや、彼女の国のお袋の味ってどんなだろうなぁという、純粋な興味もあって。
「来週が楽しみだね!」
そう言って、二人でニコニコと笑い合った。
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