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昨日、フルるんが部屋に遊びに来てくれたのは良いが、
普段使いのマグカップでコーヒーをサーブするという失態をやらかしたボク。
いくら友だち相手とはいえ、お客さんに対して、アレはちょっといただけない。
気にしない人はそんなこと気にも留めないんだろうけど…
どうせなら、綺麗なカップで飲む方が気分がいいし。
まぁ、自己満足だな。
まだ、ちょっと歩き慣れない鎌倉の街。
ネットで下調べをした、とある駅に程近いショッピングモールへと足を運ぶ。
さすがに土曜日なだけはある。
人出も多く、賑やかなざわめきは途切れることがない。
ボクは一人だということもあって軽やかに人の波を掻き分け、目に付いた店に次から次へと飛び込んでいく。
そのうちのひとつ。
女の子らしい可愛い雑貨が並ぶ店を発見!
店内の装飾が、ちょっとピンク率多そうで、少し迷ったけれど。
まぁ、負けてはいられないのだ!
店内へと足を踏み入れると、ポップな音楽に混じって、
友だち同士で買い物に来ている女の子の楽しげな会話も耳に飛び込んでくる。
ボクはそういう人たちを遠巻きに眺め、
自分にはこんな経験ほとんどないなぁ、と妙な感慨を覚えた。
まぁ、その分、何にも縛られず自由に歩きまわるスタイルを確立できたワケなのだけれど。
ふと、ひとつの棚の前。
淡いライムグリーンのマグカップが目に留まった。
エンボスの模様がぐるりを取り囲み、シンプルで機能的ながらとてもおしゃれだ。
ボクは一目で、それを気に入った。
価格も女の子相手のお店ということで、思った以上にリーズナブル。
これは"買い"だろう!
その後も、ふらふらとモール内を歩き回り、CDショップへ辿り着いた。
欲しいCDが何枚かあって、まぁでも、お財布の中身と相談なワケだけれども…
とりあえず見るだけ、見るだけ…うん!
初めて来た店で勝手が飲み込めず、演歌のコーナーに迷い込んで慌てたりして。
なんとか、目当てのコーナーに行き着き、並んでるCDを物色している背後から
「あれー?トワヤさんだ…ですよね」
と、ボクの名前を呼ぶ声がした。
振り返ると、赤い髪──図書室で出会った彼──舞皇がそこに立っていて。
「おぅ。なんだ、まいおか。こんなトコで会うなんて奇遇だなぁ!」
にやっと笑って向き直った。
「何を探してるの…探してるんですか?」
一応彼は、ボクを目上として認識しているらしい。
丁寧に話すように心がけている様子がなんだか可愛くて、ボクはくすくす笑いを堪えられないワケだけれど。
そんなボクをみて、些か膨れる様もまた可愛らしい。
「いや、ちょっとね。欲しいCDがあるんだけど」
「え、誰の? …が欲しいんですか?」
やっぱり、慣れないらしくて、取って付けた感ありあり。
そんなの、気にしなくて良いのになぁ。
ボクはどうしても、ニヤニヤしてしまう頬を止められないのだった。
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