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今日彼を誘ったのは、先日行った古書市に五十鈴も行っていたらしいと小耳に挟んだから。
あれ、趣味も合うのかなーなんて思って、ちょっとおしゃべりしたくなったのだ。
「そういや、ガッコの外でこうして話すとか、初めてじゃね?」
ボクはアイスティーを一口飲んで、喉を潤すとそう切り出した。
「あー、言われてみれば、そうかも!ゴーストタウンには良く一緒に行ってもらってるけどねー」
五十鈴は笑う。
ボクがこのガッコに編入したのが今年の四月。
このガッコは、ボクみたいな能力者がたくさん集められているからか、
地元の時のように変な気遣いをしなくて良いのがなにより驚きだった。
ここに集う仲間たち。
もう独りで居なくても良いんだ。
そう思うと、今までの反動か、他愛もないおしゃべりのできる仲良しの友だちが欲しいな、なんてこっそりクラスを見渡したっけ。
相棒に友だちを作るにはどうすりゃ良いか相談したときに
「一緒に狩りに行って、手土産でも渡したらえぇんと違うか」
と、こともなげに言われ、そんなもんかーと緊張の面持ちで五十鈴を誘った。
手土産を持っていって、すぐに五十鈴からも返事と一緒に手土産が届いて
それからもちょくちょく、GTに一緒してもらうようになった。
そんなこんなで、ボクらはいつの間にか仲良しになってたんだ。
「え、えぇぇ!?」
思わずでっかい声を上げてしまい、はっと気づき店内を見渡した。
他に居た客がちらりとこちらを一瞥する。
彼らの視線の内に迷惑そうな感情が溶けているのには気づかないフリで、ボクは少し縮こまった。
「五十鈴、超強いのに。意外だ…」
GTに一緒に行ってもらって気づいたこと。
凄く強くて場慣れしている感じがしてたから、
てっきり、彼はこのガッコに長く居るのかと思ってたんだけど、なんとボクとほぼ同時期の編入と言うではないか。
「なんでそんなに強いんだよ」
ボクが不思議に思ってそう尋ねると
「GTが楽しくて、ついつい全部の場所、行っちゃったんだよね~」
えへへ、と笑って、五十鈴は頭を掻いた。
「その分、前期中間テストの…特に数学は悲惨で…!」
五十鈴は少し大げさにため息をつき、がっくりとテーブルに突っ伏した。
ボクは頬杖をしたまま、向かい合わせに座る彼の様子に「いひひ」と破顔し、
「ちょっとは勉強せぇよー」と悪態をついた。
それから目前に迫った次の試験のことや美術室、結社のことなんかにも話題は及んだ。
ふと時計を見ると、もう夕方。
ボクらは紅茶1杯で、どこまで居座る気だったんだろうと、店側のことを思ってちょっとぞっとした…
「あー。やっぱお喋りは面白いわー」
彼が嬉しそうに笑ったので、ボクも誘ってよかったなって思いつつ
「んじゃ、ぜひまた駄弁ろうぜ!」
と、すっかり氷も溶けて柔らかくなった紙コップを手に、席を立った。
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