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「トワヤさん、テスト勉強捗ってる?」
部屋へ招き入れ、ボクがコーヒーを出すのを待って、まいおがそう訊ねてきた。
「ん。ぼちぼちだな」
と言いつつ、机の上に広げたままにしてあるノートを一瞥し目を逸らしたボクを見て まいおはぼそっと
「勉強一段落~と言いつつ、コーヒー片手に本読んでばっかりだったりして…!」
と図星を突いてくる。
思わずぎくりと表情が歪んだボクを見て、まいおは満足そうに笑った。
「あれっ!?」
部屋の壁一面に飾ってあるブーメランを眺めていたまいおが、
そのコレクションの中に、ボクが今まで愛用していた二つのブーメランがあるのを見つけたようで、
声を上げる。
「トワヤさんが、ブーメランを捨てるなんて…!」
信じられない、という風に頬に両手を添えて、身体をふるふる震わす。
「捨ててないっつの。ちゃんと磨いて綺麗に飾ってあんだろ」
コーヒーを啜りながら、ツッコミは忘れない。
「今度は魔道書使うって噂、ホントだったんだ!
あ、魔道書って、両手で持つんだね…」
そう、魔道書は意外と分厚く、辞典みたいな重みがある。
これで、ぶっ叩けば、筋トレにも持ってこいで…
「うん、百貨辞典みてぇに分厚いからなぁ。
あぁ、実際に『百貨辞典』を装った魔道書もあるんだぜ」
部屋の隅に積み重ねていた魔道書の中の1冊を取りだし、まいおに手渡した。
「ホント、重いなぁ…
そうだ。"炉"は背表紙にあるってホント?」
興味深々に上から下から魔道書を眺めながら まいおがそう訊ねる。
「うん。でも、カッコ悪いから、表紙の紙と同じもので装丁しなおしてる」
見たいなぁ…という表情を浮かべ、好奇心にうずうずしているまいおに絆され
「少しだけ剥がして、見てみたら良いよ」
ボクは、こういう子に弱いなぁ…
自分の弱点に苦笑い。
あとでもう一度、張り直しておかなくちゃ。
「でも、こんだけ1冊が重いと、今度のコレクションでトワヤさんの部屋の床、抜けちゃうね!」
装備=コレクションするという図式ってどうなの。
…まぁ、あながち間違いではないが、確かに床が抜けると困る。
そこでボクは、それならば、と
「あぁ、それなら大丈夫。魔道書はカードにしておくさ」
と言って、にっと笑った。
「わぁ、魔道書のカードってカッコいいなぁ!」
本好きのまいおにしてみれば、魔道書のカードなんて垂涎モノだろう。
「だろ!トレカみてーにコレクションすんの」
思いつきで言ったけれど、カードホルダーを買ってきて、並べると壮観だなぁ。
などと、想像を巡らせ、思わぬところで、また買物熱が高まる。
「あぁ、それにしても、テストって。
どうして実力テストなのに、実技もあるの」
思いだしたようにまいおは溜息をついた。
「期末テストなんざ、そんなもんさね」
コーヒーを飲み干して、さも達観したように、先輩風を吹かせてみる。
結局テストなんて、ヤマが当たれば御の字なんだ。
なるようにしかならんのだから。←違う意味で達観しちゃっている
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