「唐突やけど、えぇかな」
相棒が訪ねてきて、開口一番。
何を言われるのかちょっと身構えてしまい、内心ドキドキしていたのは内緒だ。
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団長交代。
すでに一度、ボクらの間では話題に上っていたのだけれど、
まだ先の話だと思っていた所為で、心の準備がまったくできていなかった。
相棒もまた、思い立ったら即行動の人なのだと、今更ながら実感する。
部屋に篭ってやっていた作業の手を止めて、看板を挿げ替えることにしたが、
何も具体的に考えていなくて、さてどうしたもんかと考えあぐねる。
まぁ、ボクらしくやれば良いか。
とりあえず結社の説明を、思いつくままに全部書き連ねていたら、
なんだかとてもダラダラとした印象だし、言いたい事がボヤけているし。
読み返して、自分に苦笑い。
えぇい、面倒だ!
そうして、潔く半分以上消してから、エントランスに貼り替える。
「すっきりして えぇやんか」
ボクの作業をずっと見守ってくれていた相棒が、後ろから声をかけてくれた。
(作業中ずっとボクは「うぁー」だの「むー」だの唸っていたから、眺めていると面白かったかもしれない…
振り返って眺めた相棒の表情も、どこかすっきりとして見える。
責任感の強い彼のことだ。
顔を出せない己への苛立ちとか、口にこそしないが、きっとそういうものがあったろう。
「お疲れさん、だったね」
ボクは相棒に向き直り、にっと笑った。
その後、これからよろしくの意味と、
此処に集う皆の笑顔のひとつひとつが、紫陽花の花のようになりますようにという願いを込めて
エントランスをひとしきり、掃き掃除。
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