posted by 渡月・トワヤ
at 15:30:30 │
EDIT
自分の中では、9~11月が秋、12~翌2月までが冬という位置づけなので、
今はまだ秋。
今週初めにかけての冷え込みは、ニュースによると例年12月上旬の気温と匹敵する最低気温だったとか言っていたけれども。
うん、今は晩秋。
放課後、ガッコ近くのカフェで本を読んでいると、背後からボクを呼ぶ声がした。
振り返ると、ケーキセットのトレイを持ってまいおが立っている。
「おぅ、久しぶりだなぁ」とボクは笑って、向かいの席に座れよと促した。
「トワヤさん、今は秋だよね?」
椅子に腰掛けるとほぼ同時に、心なしかしょんぼりしたように訊ねてきて。
「うん。そうだよ。まだ秋だ」
どうしちゃったのかなぁ、なんて少し心配になりつつ、話の続きを待つ。
「秋だよね…!」
まいおはボクの言葉に背中を押されるように顔を上げて、もう一度確認する。
彼の目が、きらきらしだしたような気がした。
「うん、秋だよ」
その表情がかわいらしかったので、ボクは思わずにっこり笑って、頷きながらもう一度答えた。
「じゃあ、芸術の秋ということで、アートフェスに一緒に行こうよ!」
一枚のチラシをボクに手渡しながら、まいおは先ほどの登場時とうってかわって、満面笑顔。
…まさか、そう来るとはね!
東京、渋谷区。
代々木公園から渋谷界隈にかけて、一大アートフェスティバルが行われるらしい。
世界各国から集まった人たちによる、手作りのお祭り。
かなりの規模らしいけれど、なんと入場は無料だそうなのだ。
チラシには、イベント会場の見取り図が記載されていて、
民俗音楽やバンド演奏が行われるステージ、民芸品の展示や世界各国の料理のブース、大道芸が行われる広場などが会場にちりばめられている。
「へぇ…面白そうだなぁ」
そういうボクを見て、満足げにまいおは頷いた。
チラシを見つけた時に、アートものが大好きなボクとすぐイメージが繋がった、というから、
ボクが食いついてくるのは、想像に容易かったろう。
「良いよ、一緒に行こう!」
にっこり笑って了承する。
そうとなれば、どこを見て回るかということに、しぜんと話は進むわけで。
「うーん。民俗音楽…アートマーケット…」
参ったな、どっちも興味があるけれど、時間的に余裕があるかどうか。
頭を掻いて唸っているボクに
「いっそ、システマティックに両方回っちゃおうよ」
と畳み掛けるまいお。
それだと、どちらも中途半端になりそうで、あんまり乗り気になれない。
「やっぱ、アートマーケットだな、うん!」
決めたボクの言葉に
「予定調和!」
まいおは指をぱちんと鳴らして、嬉しそうに笑った。
それからボクらは、とっぷりと陽が暮れるまでそのカフェに居た。
チラシを眺め、infobookで色々探しながら、
「あれがいいね」「こういうのもあるよ」と欲しい民芸品の数々に話を咲かせるのだった。
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