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Hermitage

PBW「シルバーレイン」のキャラクター、渡月・トワヤ(b63279)の日記。この世界をご存知ない方はブラウザバックをお勧めします。

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  posted by at 02:57:56 │EDIT
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地元にて(戦争、前々夜)

  posted by 渡月・トワヤ at 19:30:41 │EDIT

ガッコが終わると、ボクは飛ぶように部屋へ帰り、昨夜のうちに準備していた荷物を抱えて、鎌倉駅へ。

そして今、地元の駅横にあるショッピングモールをぷらぷら歩いていた。
ボクが地元を離れてまだ1年も経っていないけれど、
駅周辺は再開発が進み、帰るたびに何かどこかしら進化を続けているように思える。

駅からバス1本で実家まで帰れないこともないんだけど、父が「その時間なら仕事帰りに迎えに行ける」というので、ボクはこうして時間を潰しているというワケだ。

約束の時間がもうすぐに迫ってきたので、駅前のロータリーに出た。
程なくして、父の車が滑り込む。
「すまんなぁ。待ったか?」
年の瀬が迫るとやはり仕事って忙しくなるみたいだということぐらいは、ボクにだって判る。
「そうでもないよ。店回ってたし」
夜の帳が下り、街灯やネオン、すれ違う車のヘッドライトが流れていくのをぼんやり眺めていると、家へ向かう道とは違う方へ、車は曲がった。
予想していたカーブと逆だったため、身体が父の方へ振られ、腕がぶつかる。

 

:::::::::::::::::::

「ははは、ちゃんと見てないとまた倒れるぞ」
おかしそうに笑って父は言う。
「え、家に帰らんほ?どっかに寄るん?」
父の横顔を見ながら尋ねると、
「うん、ちょっとな」
とすっきりしない返事。
すっきりしないのは、こっちだ。
まぁ、助手席に乗せられてるだけの身だ、誘拐されるのも侭よ。

車はトンネルを抜け、海峡を臨む山の山頂へと続く道へ入った。
確かに山道はぐねぐねと蛇がうねるように九十九折。
ちゃんと前を見ていないと、左右に振られてしまう。


「まぁ、なんだ。トワヤがこの景色をたまに思い出せればと思ってな」
車を駐車場に止め、展望台への階段を上りきったところで父が言った。
ボクを連れてきた張本人は、こんな強風が吹く場所へ来ることを想定していなかったんだろうか。
そぐわないほどの薄着で、両手をズボンのポケットにねじ込み、首をすくめて寒さをしのいでいる。

海からは、冷たく湿った風が、絶え間なく吹きすさぶ。
ボクはマフラーを口元までたくし上げ、ほぅぅと息を吐いた。
「思い出すも何も…。ちゃんと覚えてるって」
へへっと笑って、鼻をすすると、鼻が冷えきっているのがよくわかる。
「うぅ、寒っ!早く帰ろうやぁ。腹も減ったし」
ボクがくるりときびすを返すと、背中に届いた父の言葉。
「───」


「あぁ…判ってるって」
ボクはすべてを振り返ることはせず、ポケットから左手だけ出し、軽く上げてそれに応えた。
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