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ひゅうう!
強い風が吹き抜けて、ボクは手すりを掴んだまま、片手でジャンパーの襟元を抑えた。
テレビのニュースで、強い強い寒波がやってきていると伝えていた。
冬型の典型的な気圧配置?西高東低?
水が流れるのと同じように空気もまた、高いところから低いところへ流れていくのが自然というもの。
その傾斜が急であればあるほど、流れも急になるのは火を見るより明らかで。
結果、今日のこの強風というワケだ。
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ボクのブーメランコレクションの中で異彩を放つ三枚一揃いの「殯ノ笛」
この名前は、轟々と吹きつける冬の強風の中で時折聞こえる甲高い笛の音に似た風の名を取ってつけたのだ。
凍てつくような冷たい風。
ともすればこんなに強く鋭い風はかまいたちのよう。冷え切った肌はいとも容易く斬り裂かれてしまうだろう。
ボクは手すりに凭れて、空を見上げた。
冬らしい、どんよりとした灰色の雲が空一面を覆っているけれど、さすがにこの強風では、その重い腰を上げざるをえないようだ。
ゆっくりと、空全体が動いているような錯覚。
ボクはといえば、こんな強風のなか、頬を緩ませている。
表情が凍ってしまったから…というわけではない。
傍から見れば、ちょっと怪しい人かもしれないけれど…
強い風に吹きつけられると、冷える身体と相反して心の奥、熾き火のようにじわっと熱が篭るのを感じる。
どうしてだか考えたこともなかったけれど、此処、鎌倉に来てからますます強く感じられるようになった気がする。
目を閉じ、旅人の外套を纏う。
自分のこの能力を、ボクは愛してやまない。
…なんて……へーっくしょい!!
うぅ、さすがに寒ィ。
ぼちぼち部屋へ戻って、ココアでも飲~もうっと!