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ふぅ、と一息ついて、目を活字から上げた。
一体何時間経ったのだろうか?窓からの光は、もう夕方色に染まり始めている。
些か小説の世界にのめりこみすぎていたらしい。
首がギチギチに凝ってしまい、もう1段階頑張れば(?)頭痛も併発するだろう。
また臥すのは御免だと、ボクは苦笑いする。
傍らのコーヒーカップの中身は、もう残り僅かだ。ボクはくうっと飲み干して、2杯目に行こうかどうしようか少し迷い、時計を見てやめた。
だって、もうすぐ晩飯だもの。
晩飯が済んだら、フルるんのトコに遊びに行こう。
バレンタインに、ガッコでも色々と催しが行われるらしい。
そんな話をガッコで小耳に挟んだから、またフルるんと一緒におでかけしたくなり、相談に行こうと思って。
地元のガッコじゃ「ガッコにチョコ持ってきたら没収だぞ!」なんて言ってた、ジャージ姿のセンセが居た。(まぁだからとて、皆が大人しく従うかと言えば「否」である)
その点、銀誓館学園はなんてオープンなんだろう。
尤も、チョコをあげる相手は恋する相手にとか、そういうのだけではないんだと、先輩の一人が教えてくれた。
仲良しの友達に贈るのもアリ。
感謝の気持ちを込めて、チョコでなくちょっとしたプレゼントをあげるというテもあると教えてくれた。
「気合いを入れて、チョコもプレゼントもあげる子も居るのよ」なんてウィンクして笑っていたっけ。
ボクにはまだ、そこまで想い入れる相手は居ない。
居ないけど……うーん?
我ながらちょっとフクザツ。
あれ?もしかして勝手にボクが難しくしてるだけなのかな。
まぁ良いか。
なるようにしかならんし、ボクは自分がやるようにやるだけさ。
あっ!!
晩飯の準備に手を動かしたまま、ぼんやりと想いを巡らせていたボクは、はっとした。
くし形に切るはずの玉葱が、みじん切りになっちょる!
…
まぁ良いか。
小さい方が、火の通りも早いっちゃ(ささっとまな板の玉葱を鍋へ投入
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