posted by 渡月・トワヤ
at 23:43:19 │
EDIT
ガロンガロンガロン……
コインランドリーにてドラムが回るのをぼんやり眺めていた。
洗濯機の回るのを眺めるのが好きなんです、なんて言ってたTVタレントが居たけれど、今ならその人の気持ちが、少しわかるような…うーん、やっぱりわからないかも。
(あんまり見すぎて、目が回っちゃったりしないのかなぁ?
今日の日中は陽差しがキラキラと柔らかくてまぶしくて。
なのに、外へ一歩踏み出せば、おどろくほど風が冷たい日だった。
「でも、こういう日っていかにも春っぽいよね!」
昼休みに、ランチを一緒にしたクラスメイトが笑いながら言ったセリフを思い出す。
寒い寒いと思っていたのに、帰宅途中の民家の庭先には、白木蓮の花がいっせいに開花していたりして。
洗濯が終わったら、屋上に行こうっと。
ボクはそう決めて、持ってきた文庫本を開き、活字を追った。
屋上に上がると、風がびょぉっと吹き抜けてボクを迎える。
ジャンパーのジップを上がるトコまで上げると、首を亀のように竦めながら手すりまで歩を進めた。
「やっべぇ、オカルトチックな小説なんか、夜読むもんじゃねぇ…」
日頃ゴーストと対峙している人間のセリフとは思えないことばを吐く。
「完璧に選択ミスだよ。バカだなぁ」
人影が見えないのを良いことに、独り言を呟き放題。
夕方西の空に浮かんでいた三日月は、もうとっくに沈んでしまっている。
夜空は、手を伸ばせば届いてしまいそうな満天の星。
春だ、春だ、と言うけれど、まだオリオン座も健在で、星の瞬きはもう少しの間楽しめそうだ。
ボクは先ほどコンビニで買った緑茶のペットボトルをポケットから取り出し、少し冷ますように手のひらの上でそれを転がした。
手のひらを一通り温めたら、キャップを開け一口飲む。
ふわっと、柔らかい香りが鼻腔を通り抜けた。
うん、まったり、まったり。
何度首をすくめたろうか?
あぁ、そうだと脳裏によぎる顔。
やりたいな、って思ってたことがあって、今なら、できそうな気が…するんだ。
よしっ!
キャップを閉めたボトルを再びポケットに突っ込んで、ボクはきびすを返した。
とりあえず、部屋に帰ったら、コーヒー入れようっと!
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