そういえば、巷では、電子書籍の話題で持ちきりだとか。
新しモノ好きの友達がさっそくチェックしていて、本好きのボクにも勧めてきた。
それがあれば、書棚も要らないし、重たい思いをせずに本を持ち歩けるよ、と言うのだが、ボクはその言に「ふんふん」と頷くものの、イマイチ乗り気になれなかった。
確かにそのデバイスがあれば、ほしい本を探して歩き回る苦労も、本棚の心配も要らない。持ち歩くにしても、鞄に一つぽんと入れておけばいい。
それでも「う~ん」と唸ってしまうボクの気持ちを、まいおなら解ってくれるかもしれない。
移動の電車の中。
読んでいた文庫から目を上げて移り変わる車窓に目を遣り、ボクは電子書籍に「う~ん」と唸ったワケを考えた。
活字は好きだ。これはまぎれもない事実。
ネットに溢れる活字を追うだけでも幸せを感じるし、実際日参しているサイトもある。
けれど、それ以上にボクはきっと、本という存在自体が好きなのだ。
ずっしりとしたハードカバーはそれだけで大事にしたい想いがムクムクと湧き上がるし、文庫にだって、気に入りのブックカバーをつければ、ぎゅっとしたくなる。
美しい挿絵があれば、それをじぃっと眺めているだけでも、しあわせを感じる。
外国製のかわいい栞があれば、それを使うために新しい本を開く。
本棚に並ぶ背表紙を眺めるのも、実は楽しい。
これは一種のコレクター魂かも…?
まぁ、いいや。
目指す駅はまだまだ先だ。
ボクは読みかけの本をまた開いて、その世界に没頭するのだった。
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