鈴木城を回りながらふと
「着物のリメイクって、面白そうだし、和柄なんていいんじゃない?」
とひらめいたのだ。
真っ黒のシンプルな長袖Tシャツを一枚ベースにして、
端切れでもいいし、古い着物でもいい。縫い付けてったら、きっと個性的で素敵なものになるんじゃないかな。
何しろ、自分が作った、世界にいちまいだけのオリジナルだもの。
鈴木城をひとめぐりした帰り道(ちょうどLvがあがったのもあり)拾い物の中に良さそうな着物はないか、とカナメに訊ねると、おあつらえ向きのがある、と投げて寄越してくれたんだ。
「おぉ!いいじゃない、ありがとう!」
満面笑顔でそれを受け取ると、もうソワソワしちゃって落ち着かない。
ちょっとでも気を抜くと、ぴゅー!っと、学園の屋上まで、一目散しそうな勢いだ。
けれども。
「俺も次の戦争が終わったら、服を新調する予定」
というカナメのことばに、はっとした。
そうか、別段そこまで急ぐ必要はないのだ。
ボクはついつい、思いついたらこんなふうにして「わっ」と駆け出してしまう。
行動力がある、と言えば聞こえはいいが、じっくり考えるのだって悪くない。
カナメの一歩引いたことばは、こういうとき、ボクにとってとてもありがたいものなのだ。
「それもそうだな。戦争終わってからゆっくり考えればいいか」
貰った着物はとりあえず畳んで、クローゼットに仕舞っておくことにした。
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