バイトを月のエアライダーに変えてから、実際どんな装備がボクには合っているのかなって、ずっと試行錯誤してたんだ。
ミシキからお下がりで貰った赤閃を身につけると、なんとなくいつも以上に軽やかに風に乗れるような気がした。
あぁ、ボクが想像してたのと、一緒!
それは銀誓館学園に入って本業やバイトのことを知り、エアシューズの存在を知った時のこと。
ボクのジョブではあいにくエアシューズを履けなくて、残念に思ったものだ。
きっとあの靴を履けば、ふんわりと空を舞うように風と共に駆けられるんだろうな、って、努々想ってた。
こんなふうにふぅわりと風に乗って、豪快な蹴りを食らわせるなんて…正直、気持ちイイ。
今日は新月だから、窓から流れ込む光は街の灯りか。
銀色の月の光に照らされるブーメランは、格別なんだけど…っと、本題からズレているかもしれない。
もらった赤閃を履いた戦闘スタイルも板についてきたところで、ボクの能力には少しの余力が残ってるように思える。
右手には初撃に先手を取りやすい、小回りの効くナイフを持っているのだけれど、これをもう少しカスタマイズしようと決めたのだ。あぁそれならば良いものがある…と思い当たり、今この場所に居るわけだ。
ボクのブーメラン愛用コレクションの中でも、1.2の歴史を誇る、-殯ノ笛- がボクを見てキラリと鋭く笑う。
そうそう、これこれ。
ボクはそぅっと手に取って確かめるように眺め、頷いた。
これはもともと、小型ナイフを模してしつらえたもの。
3枚一揃いだけれど、それぞれが鋭いナイフのようになっていて、おあつらえ向きだ。
部屋へ一旦戻ると、レポート用紙にナイフの仕様を書き記して、再び夜の街へ飛び出した。
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ナイフと、殯ノ笛と、少しの詠唱銀と。
いまだ、昼間の熱を帯びた風が吹きぬける屋上に上がり、百葉箱にそれらを仕舞って、扉を閉じた。
あとは、届けられるのを座して待つだけ。
受け継がれる精神。
闇を切り裂くのは、殯ノ笛の音。
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