夕暮れを待ち、あおを連れてゴーストタウンに潜入した。
使役を連れる場合には、自身へ相応のハンディがあるとは聞いていた。
それもあって、今まで使役というものに見向きもしなかったんだ。
ボク自身がまだまだ弱っちぃひよっこだったし、そこまでする必要性を感じなかったのもあったから。
けれど実際、あおを連れることになったワケで。
人生なんて、わからない。
しかも、あおの顔を一目見れば、今まで億劫に思っていたハンディは、屁でもない。
特にボクは風詠みの後衛ということも幸いしているんだろう。
「魔力供給」や「祈り」は本当に助かるんだけど、如何せん、あおには体力がなさすぎる。
ゴーストの標的にされちゃうと、ひとたまりもない。
あおは、あんなに小さいのに、レイピア片手に勇猛果敢にゴーストへと突撃をかますのだ。
返り討ちにあい、あっけないほど簡単に吹っ飛ばされて戦線離脱・・・
「ボクの手に、あおへの"祈り"のアビリティを…!!!」
(声にならない、心の叫び)
今日も、一緒してくれる仲間のおかげでゴーストタウンに巣食うヤツらは祓うことができたけれど、ボクのココロのもやは晴れないまんま。
くったりとしたあおを抱えて、イグニッションを解除すると、
誰にも気づかれないよう小さくため息をつき、
「んじゃ、またな~」
と仲間たちに手を振って、家路についた。
「さて、どうすっかなぁ?」
帰宅したボクは、テーブルに肘をついてイグニッションカードを見つめ、考えていた。
あんな小さなナリ(少ない体力)で、ゴーストへ向かってくその根性はまぁ誉めてもいいけれど、あんまり賢いやり方じゃないよなぁ。
後衛のボクのそばにずっと居ればいいのに──。
あっ!
そういえばケットシーって、進化すればケットシー・ガンナーになるんだったっけ。
ガンナーっていえば、読んで字の如し。
拳銃を扱うんじゃなかったっけなぁ。
図書館の資料をめくれば確かに、ガンナーは二丁の拳銃を自在に操り「主人を陰から守る」とある。
「陰から」…!
自分にない素養だからか、そのフレーズにめっぽう弱いボクだった…
若干、自分の能力に不安は残るものの、
これから何度も、あおの痛々しい姿を見るなんて、想像するだけでもイヤだ。
ガンナーになれば、若干ではあるものの、生き延びる率は上がるだろうし、そしたらきっと冒険や狩りやプールに一緒に行く仲間へも、もっと貢献できるんじゃないかな。
そんなこんなで、ぬるい風の吹く夜半。
昼間の熱気がまだ残る屋上で、あおはケットシーからケットシー・ガンナーに進化を遂げた。
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