posted by 渡月・トワヤ
at 16:00:01 │
EDIT
──目を開くと、テントのクリーム色が、はたはたと風になびいていて、
ここはどこだろうか、とまだぼんやりする頭で考える。
確か、ボクは。
六鬼の砦にむかって…それから……アイテテ。。。
体を動かそうとすると激痛が走り、ボクは思わず眉根を寄せた。
彼は、無事なのか。
少しのヤな予感が脳裏を過ぎる。
と、新たにボクの横にまた、けが人が運び込まれた。
ケガがよほど酷いのか、その人は小さく呻いていて…だけど、まさか。
「え?」
ボクの声に、こちらを向いた相貌。
とたんにあふれて止まらない感情の渦。
生きていてくれてよかったという安堵感と、心配をかけてごめんね、と。
彼は顔をしかめた。痛むのだろうか…
「…すまない」
「ボクこそ…ごめん。しくじってしまった」
ここでの邂逅が、奇跡に思えた。
互いが、生きててくれて良かった、と、同じ気持ちでいるのだ、と、言葉なんかなくても、理解った。
この腕さえ痛まなければ、その額に触れる髪の毛を払ってやれるのに。
ボクは精一杯で笑う。
「…やるだけやったから、それでいいよ」
君の前では、笑っていたい。
けれど、ごめん。
もう、これ以上は、胸がいっぱいで。
ボクは泣き顔を見られないように、眠りに落ちたフリをした。
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