posted by 渡月・トワヤ
at 10:30:07 │
EDIT
今日も良い天気だ。
ボクは、洗濯を済ませて、屋上に上がった。
風が少し吹いてて空気はカラっと爽やかだし、陽なたでさえも、過ごし易くなっている。
確実な、秋の訪れ。
屋上に設置してある簡易ベンチにごろっと寝そべり、
一冊の詩集を開いた。
たまには詩集もいいもんだ。
邪道かもしれないけれど…たとえば、こうして…指に触れる感触で、えいと開けば一期一会。
思いもかけず、はっとするような言葉に出会えたりもするもので。
今まで何度も目にしたはずの言葉たちも、そういう出逢い方をするとまた、自分が捜し求める「なにかのかけら」だったりして、心に留まることもある。
ボクは心の赴くままに、ページを繰る。
一足飛びだったり、後戻りしてみたり。
まるで、自由な風のよう。
恋の詩にページを繰る手が止まる。
人生なんて、わからない。
こんなにも、自分を必要としてくれるひとに出逢えるなんて、思いもしなかった。
届けられる想いに、幸福で締め付けられる胸。
開いた本の背景は、どこまでも高く澄んだ青。
彼の瞳の色に、似てる。
昨夜、ボクの指に落ちてきた月のしずくが、太陽の陽を受けて、視界の端にきらりと飛び込んできて。
「ぅ~~~~」
言葉にならない声をもらすと、足をバタバタさせ、腕で目を塞ぎ、ひとり赤くなる。
あふれそうなこの想いを、いったいどうやって伝えたらいいんだろう。
瞼の裏には、いまだ空の青が鮮やかで、
「──」
今頃、何をしてるのかな。
そっと呟いた名前は、ボクの心に消えない火を灯し、
吹き抜ける風に、さらわれていった。
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