posted by 渡月・トワヤ
at 22:05:50 │
EDIT
先手を。
ジェットウィンドを見舞った直後、彼女の目が光ったのが見えた、気がした。
「…うぐ……がっ……!」
刹那、見えない鎌に体中を刻まれて、ボクはその場に倒れこんだ。
突風に散らされたらしい砂利が、口の中でざらざらとしている。
その砂利を吐き出すこともままならず、痛みに呻いたまま、大地に伏した。
かすんでいく視界。
痛みはズキズキと、ボクから正常な判断力を奪っていくようで。
この痛みは、彼女の心の痛みなのだろうか、と。
同情心は無用だと心に決めたはずなのに、迷いそうになる自分がいる。
でも…これはキレイゴトなんだと、思う。
仲間の歌声に、はっと我に返る。
痛みが、傷が、回復していくのがわかった。
ボクは立ち上がる。
もう迷いはしない。
彼女の未練は、ここで断ち切ってやる。
それが、本当のやさしさなんだと心に決めて。
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