ハルカは
「家を建てるには、土地が必要ネ!」
と言って、どこで焼いてきたのか、60センチ四方のでっかくて分厚いスポンジケーキを持ってきた。
まいおも、ハロウィンらしい、たとえばこうもりや黒猫、おばけの形のお菓子を仕入れてきている。
いったい、どこで見つけてくるんだろうなぁ、と感心しきり。
ボクも、オレンジ色の南瓜をくりぬいて、提灯を作ろうかな。
どうせなら一緒がいいから、と恭一も誘ってみた。
「あんまり、手先は器用じゃないんだけど……」
と少し遠慮がちな彼の手を引っぱって
「そのほうが個性があって良いじゃん♪」
ボクは笑った。
先に来ていたメンバーの手によって何個か作られた提灯が既にテーブルに並んでいる。
「へぇ…可愛いね!」
ボクはひとつずつ手にとって、それを眺めてみる。
同じような表情のもあるけれど、そこはやはり手作りのよさで。
目の角度、口の大きさもそれぞれ少しずつ違って、同じものはひとつとしてないんだね。
やっぱり最初に作るのは笑顔。それも、大きく口を開けたヤツがいい。
表情を決めたら鉛筆で軽くアタリを取り、えい、とナイフを突き立てる。
ボクはちょっとおっちょこちょいで大雑把だという自覚はあるから、ナイフを扱う時には慎重にしよう…。
隣に座る恭一の手元を見てみると、「不器用だ」と言ったあの言葉は謙遜ではなかったんだ…と思いながらも、それは、とても愛嬌のある表情。
恭一の真剣な面差しにも、ボクは好感を覚える。
「へぇ、上手く出来てるじゃん。可愛いと思うよ」
と声をかけて、
「……そうかな」
と少し困ったような顔をする恭一に、にっこり笑いかけた。
一緒に何かできるというのは、とても嬉しいことだね。
隣に恭一が居るから…本当はそれだけでも、ボクは十分に満足なのだけれど。
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