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それは、恭一がとある事象について、ボクへと意見を求めてきたところから始まる。
恭一とボクでは、それについて正反対の考え方を持っていた。
「実はこの本を読んでそのことを考えていたんだ」
ボクが興味深そうにしていたので、彼はあらすじを語るような無粋なことをせず、タイトルを教えてくれたのだ。
そのタイトルを先日図書館で発見したボクは、さっそく読んでみることにした。
こういうことも、一期一会。
知りえた時がそのタイミング。
「トワヤはどう思った?」
恭一に尋ねられ、ボクは手帳を開いた。
心に留まった言葉や、ちょっとした感想なんかを書き記しておいたページを見るためだ。
ボクの言葉に黙って頷きながら、彼はそれらを取り込んでいくようだ。
実はボクは、自分の考えを話すのはちょっと苦手で緊張する。
自分の信念のようなものは多分持っていると思う。
誰に似たのか、頑固なトコがあるから。
ただ、ディスカッションの場に出ると、自分とは違う意見だったとしても「あぁ、尤もだな」と思えば、ボクはアッサリと意見を変えてしまうこともあるし、だとすると自分の意見など無意味だと思ってしまうから、あえて聞き役に徹し、色んな意見を自分なりに噛み砕いてまとめるということに慣れてしまっていた。
そんなワケで、自分の考えを話している間も、恭一の表情が気になっていた。
論点がズレていないか、意味不明なことを言っていないか。
ヘンなプライドと相まって……正直、こういうことにはまったく自信がない。
ボクが一通り思ったことを話したあとで、恭一はこの本について、興味深い意見を見つけたよ、と
まったく違う視点からの評価を話してくれた。
それにもまた一理あると納得したのは彼もボクも同意見で、片方から物を見るということの危険性を再度思う。
「だとすれば…こういうことなのかもしれないね」
「大切なのは、そういうことなんだろうね」
自分達がそこから導き出した結論に、ボクは満足した。
恭一も同じように思っていてくれていたら嬉しいなぁ…
誰かと本の読後にこういう風に意見を持ち寄って話をすることなど今までなかったけれど。
こういうのって、ちょっといいな。