かといって、ここまで来て手ぶらというのもつまらない。
なんてったって、ここは本の海なんだ。
借りたい本がないのなら、新しい出会いを探せばいい。
(ちょっとだけ、博打みたい)
ボクはそう決めて、ふらふらとさまざまなジャンルの書棚を渡り歩いた。
…うっかり思想や宗教の棚に向かったときは、さすがにびっくりしちゃったけれど。
国内外の小説。
エッセイ。
詩や俳句、短歌。
美術や旅行関係。
児童文学もバカにできない。
ボクが小学校のころから知っている…実際はもっともっと昔から綿々と読み続けられてきた…物語には、やはりそれ相応の価値がある。
今日ボクが選んだ数冊の本は、
どれも読んだことがない…名前すら知らない作家のものがほとんどだ。
決め手は、装丁の雰囲気。
やさしくてあたたかい絵で美しく飾られた本は、手に持つだけでしあわせな気持ちにさせてくれる。
…ボクがそういう気持ちになっているから、かなぁ?
晩秋の夕陽は、つるべ落としだ。
図書館を一歩出て、風の冷たさに思わず首を竦めてしまった。
日中は暖かかっただけに、なおさら冷えるように思うのかもしれない。
うーん。
今日の晩飯は、茸とベーコン、根菜を使ってポトフを作ろう。
たっぷりのスープでコトコト煮ている間も本を読めるし…
きっと余るから、明日の朝も、また食えばいい。
うんうん!
自分の思いつきにホクホク顔で、ボクは家路を急いだ。
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