posted by 渡月・トワヤ
at 14:52:28 │
EDIT
穏やかに晴れた午後。
風はもう、冬のそれみたいにつめたいけれど、柔らかな陽射しの中、手をつないで歩けば、やっぱりとても暖かだ。
今日はいつまでも、こうして二人でゆっくりと歩いていたい気分。
恭一から
「どこか行きたいところはない?」と尋ねられても、
二人で歩いていればそれだけでわりと満足してしまっていたから、
「んー…」とお茶を濁すように鼻で唸って、ヘラヘラ彼を見る。
ボクのその様子に恭一は、しょうがないなあってやさしく微笑いつつ、当て所のない散歩にどこまでも付き合ってくれるんだ。
でも。
まだ傷は痛むかな。
それでなくても、恭一ってば、我慢しちゃいそうな性質だし…
あんまり連れまわすのも良くないか。
「よし、決めた!」
ボクはひらめいて、ちょうど目に留まったケーキショップのカフェコーナーを指差した。
「今日は恭一の快気祝い!おごっちゃるけぇ、あそこ行こ!」
言いながらすでにそちらへ向かって歩き出すボク。
自然、引っ張られる格好の恭一は、些か遠慮する様子を見せる。
「大丈夫、大丈夫。予算は二人で1,000円だから!それ以上は自腹なー♪」
ボクはふふっと笑う。
恭一もそれならば、と納得してくれたらしい。
……まぁ結局は、予算もなにも。
割り勘になっちゃったんだけどね。
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