posted by 渡月・トワヤ
at 16:09:17 │
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とん、と触れた合図で繋ぐ手。
ちらっと交わる視線、自然とこぼれる笑み。
昨夜、意を決して飛び込んだナイトメアビーストの迎撃戦の選抜メンバーからもれたことを告げる帰り道。
「そうか……」
残念だったね、と慰めてくれる恭一も、すでに他の依頼を受けていたから、今回は立候補しなかったそうだ。
「僕らの思いを背負ってくれる彼らのサポートに徹しよう」
一般人がボクらのとばっちりを受けて傷つくのは、絶対に許されないことだもんね。
カラカラ…と乾いた音をたてながら一枚の枯れ葉が、風に流されてボクらを追い越していった。
あれよあれよという間に、冬が来る。
夕闇迫る時間は日ごとに早まり、街路樹も葉をひらひらと散らせ、徐々にその枝を露わにして。
ボクは今日、この秋の初マフラー。
ぐるぐる巻きにしたマフラーに鼻まですっぽり埋めるようにすると、ほわんとしてぬくぬく。
冷たい風もへっちゃらなのだ。
そんなボクを見て恭一は
「なんだか亀みたいだよ」と笑う。
時折吹く風が、まだ梢に残る赤や茶色の葉をカサカサと揺らす。
その音を見上げるボクの目に、薄青の空と赤い葉のコントラストが切り絵のように鮮やかに焼きついた。
「きれいだね」「……ああ」
ボクの言葉につられて見上げた彼も頷いた。
こういう時、ボクはことさら
ああ、このひとのこと、どうしようもなく好きだ、って、想うんだ。
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