今日の晩飯は何にしようかなぁ。
わりとパスタが多めな、最近のボクの食事。
秋はきのこが美味しいから、それをふんだんに使いつつ、味付けでバリエーションを楽しんでいる。
今日もそんな感じにしちゃおうかな…
などと考え事をしながら、色づく街路樹の並木道を歩いていたとき、視界の端っこからふわふわと白くて小さいものがボクの目の前を横切っていった。
…ん?
わ、ゆきむしだ!
しかもよくよく目を凝らしてみると、飛んでいたのは一匹二匹ではなかった。
こんなに飛んでいるのを見るのは、はじめてだ。
今年は、雪がたくさん降るのかなぁ。
よろよろ、というか
ふらふら、というか。
腹についている綿状のものがいかにも重たそうな飛び方。
そもそも、「ゆきむし」ってネーミングが、すでに愛らしいよね!
ボクは試しに、ちょうど目の前を横切ろうとする一匹へと、両手を差し出してみた。
あたかも、舞い降りる雪に手を差し伸べるように。
ボクのてのひらに囲われて、逃げる素振りでも見せるのかと思いきや、ああこんなところに一休みできる場所ができた、とでも言うように、これ幸いとボクの指先へ止まったのだ。
驚いたのはボクの方。
逃げられるとばかり思っていたのに、あっさり捕まえてしまったのだから。
おいおい、ちょっとは警戒しろよ。
パチンってやられたらおしまいなんだぞ?
その警戒心のなさに、どうしようもないなぁ、なんて若干の庇護欲を掻きたてられつつ。
へぇ。
お腹の下辺りを包むように、何か出てんだなぁ。
あまりに小さすぎて、その白い綿状のものに触れる勇気はさすがになかったけれど、まじまじと観察してしまった。
さて、晩飯は何にしようか。
思考が振り出し地点に戻ったところで、ゆきむしを空へと放つ。
ゆきむしは、上へ下へとふらふらしながら、そのあたりを漂い続けている。
むしの名に影響され、心が冬の支度に取り掛かる。
今日は、シチューにしようかな、あっ煮込みうどんもいいかも。
考えるメニューも、考えるだけでほかほかするようなものに変わっていた。
だってほら。
もうすぐ、冬がはじまるよ。
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