posted by 渡月・トワヤ
at 22:46:39 │
EDIT
── ふぅ。
今読み終わったばかりの本を閉じた。
淹れていたお茶は、とうに冷めている。
ボクはそれを飲むのも忘れて、活字を目で追っていたのだった。
主人公の緊張をそのままトレースしたかのような、息をつかせぬスピード感溢れる物語。
ボクは、文字通り息をするのも忘れていたみたいに、今になってようやく大きく息を吐き出し、目頭を軽く指で拭った。
ハッピーエンドと言うには、あまりにも失ったものが多くて切なくなる。
しかし、それでも明るく溢れる光を、軽やかに吹き抜ける風を、ボクはラストの場面に感じることができた。
ボクはこの物語から「信じることの大切さ」と「生きてこそ」というメッセージを受け取れたように思う。
すっかり冷たくなったお茶を一口含んだ。
喉はすっかり渇いてしまっていたようで、渋みが喉の奥をちくりと刺す。
ふと思い立って、香に火を点け、煙をくゆらせた。
少し、煙が目に滲みる。
ボクは奇しくも、能力者として生を受けた。
この物語の主人公ほど過酷ではないにしろ、やはり「死」というものを身近に感じずにはいられない瞬間は多くって。
だからこそ、より強く「生きたい」と願えるんだと思う。
ボクにはまだ、やりたいことがたくさんある。なりたいものだって、ある。
まだ、こんなトコで、くたばるわけにはいかない。
走れ、走れ、とにかく走り続けろ。
いつか言われたセリフを思い出す。
喉が喘鳴し、膝が折れて、視界が霞んだとしても、
その声に背中を押されるようにして、ボクは前へと進むだろう。
でも、ボクは一人じゃない。
信じられる仲間が居る。
その事実は、何にも替えがたい宝物だ。
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