前期の期末テストは、ちょうど3ヶ月前。
あの時も、テストの直後に、「アリストライアングル」と銘打たれた戦争があった。
あのころのボクは、毎日押し寄せてくるさまざまな出来事 ── まったくもって個人的なものだったけれど ── に打ちのめされていた。
もちろん、個人的な事情などはお構いなしに、テストだ、戦争だ、と次々とやってくるものたちに追い立てられ、走り続けざるを得ない日々。
ボクはきっと、自分の心はこのまま、厳しい残暑の陽射しに照らされて枯れていくのかもしれないな、それならそれでもいいか、と思っていた。
滅入りそうなボクの心を支えてくれたのは、些細なことを切欠にして毎日ひっそりと交わすようになった手紙だったのだ。
あれから、3ヶ月…かぁ。
寝る前になんとなく気になって机の整理をしはじめてしまったボクは、引き出しの中に丁寧にしまっていた手紙の束を取り出して少し読み返し、そんなことを思い出していた。
考えてみると、今ボクが立っているこの場所は、手紙にしたためられた言葉のひとつひとつで丁寧に作られた道の先に用意されていたようにも感じるし、あるいは、その時々でボクが拾いあげ、湖へ投げ入れていった小石の描く波紋がつくりあげられたものであるようにも感じられる。
「…クリスマスは、どこかに行くか?」
彼の言葉が唐突に耳によみがえって、ボクの瞳は熱を持って潤み、揺らいだ。
テストが終わって、クリスマスを迎えれば、あっという間に年末になる。
これから先、年末にかけての予定の半分が仮に滅入っちゃう種類のものであったとしても、あの夏のように、心が萎れたりする心配はまったく要らないんだ。
だって、ボクの隣にはいつも彼が居て、ボクの手をしっかりと握っていてくれるから。ボクはもう、独りじゃない。
…ふゎ・・・
胸にあふれるような多幸感で心地よい眠気が訪れ、ボクは小さいあくびをした。
手紙を元通りに仕舞って引き出しを閉じ、布団へもぐりこむと程なく、甘い眠りにボクは沈みこむ。
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