「やっぱ、冬はこたつに蜜柑だろ?煎餅もいいかなーと思って」
ボクは、エコバッグから、買い込んできたネット入りの蜜柑や煎餅を取り出して、卓上の器に盛り付けた。
あったかいお茶は、都度淹れた方がいいかなって思うから、ここには置いておかず。
テスト勉強とはかけ離れた準備ではないか、というツッコミは華麗にスルーしよう。
だって、どうせやるなら、楽しいほうがいいに決まってる。
みんなで額を寄せ合って、「判らないよー!」と悶絶したり、教えあいっこしたいな。
といっても、ボクは教え方がへたくそだから、あんまりみんなの役には立てないかもしれないけど…。
でも、いいんだ。
こういう小さいことだって、全部、全部、大事な思い出になってく。
いつか振り返ったときに、とてもキラキラするんだって、ボクは信じてるから。
セッティングが完了したコタツに、さっそくハルカがやってきた。
時折思うんだけど、ハルカってなんだか陽だまりを知ってる猫みたい。
ちゃっかりとコタツへ一番乗り(入り?)し
「テストはいつもどおりにやればいいかナー」なんて余裕をぶちかましている。
…その余裕、ボクに半分クダサイ。
そのうち、まいおが教科書を手にやってきて、ウンウン唸っている。
グラナートサンの何気ない一言に、ボクはノートを書き取りながら、こっそりニマニマ。
あまりにニヤニヤがとまらないから、煎餅をぱきっと割って、ひとかけらを口へ放り込む。
あぁ、あったかいお茶が飲みたいなぁ。
ボクはコタツから出て、炊事場へ向かう。
後ろから「あー!トワヤさん、もうサボり!?」っていうまいおの声が追いかけてきたけれど、振り返って「うへへっ」と笑いごまかした。
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