朝。
目が覚めて支度を整え、いざ部屋を出ようとしたボクは、郵便受けに1通の封書が届いていたことに気づいた。
誰からかな。
何の気なしに封筒を裏返したボクは、思わず立ち止まって首を傾げた。
差出人は、一度だけ、恭一とボクとをGTへ連れ出してくれた、恭一の寮の先輩で。
そのときは世間話をした程度だったし「良い人だな」とは思ったもののそれ以降は会う機会もなく、結果として恭一を通しての顔見知りという間柄だ。もちろん、手紙をやりとりしたことなど、あるわけもない。
ボクは「うーん」と唸って、あて先をもう一度確認する。
…間違いなくボクの名前だ。
不思議に思いながらも、ガッコへいく道すがら、開封して中を確認する。
出てきたのは、招待状だった。
あまりの思いがけなさにボクは「ぇへっ!?」と大きな(しかも変な)声を上げていた。周囲に人が居なかったのが、不幸中の幸いである。
ホットチョコレートをご馳走してくださるとのことで、それだけでも嬉しいのだけれど、その場所が、レア!
普段なら、部外者は立ち入り禁止でしょ、って思っちゃう場所。しかし基本的にはボクが好きな場所だ。
テンションが上がらないほうが、不思議でしょ。
恭一は、先輩がボクに招待状を届けてくださったことを、知ってるだろうか。
今日、ガッコで聞いてみようかな。
それとも、こっそりお邪魔して、びっくりさせちゃおうかなぁ。
なんだか楽しくなってボクは、招待状を口元に当ててふふっと笑う。
ガッコから帰ったら、遊びに行かせてもらっちゃおうっと!
知らない人もきっとたくさん来てるだろうから緊張しちゃうかもだけど…それでも、楽しそうだって思う気持ちの方が断然強い。
ボクは、ガッコへの道を駆けだした。
吹き抜ける春の風のように。
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