posted by 渡月・トワヤ
at 00:00:07 │
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なんてことだろう…
運命予報士でさえ、視ることのできなかった、これが現実というのか。
戦争で疲弊しきった頭はじんと痺れたようで、
一人では、ろくな判断ができない気がしていた。
その頭に直接響くようなあの声にも不快感しか残らない。
「トワヤさん!」
最後までボク同様無事だったまいおが駆けてきた。
「…ああ」
あいまいに笑い、
「とんでもないことに、なっちまったなぁ…」
言うと同時に、そのまま頬が引きつった。うまく笑えない。
「俺はゴーストと戦うよ!」
傷ついた仲間の分までやるって決めたから。
そう言い放ったまいおの言葉に、ボクは顔をあげた…だけれど、「ボクも」という言葉は、喉に痞えて出てこない。
ボクの脳裏には、怪我を負ってしまった恭一の姿だけが何度も浮かんでいた。
生命賛歌のない状態での戦闘。あのときの気持ちが蘇る。
まだ生々しい記憶。
脳みそがざらざらする。
…情けないけれど、死ぬのは怖い。
遺して逝くなど、したくない。
「………たい」
抑えきれなくてこぼれた小さな声。
「…だったら、そうすればいいと思うよ」
穏やかに笑って、まいおが言った。あの小さな声は届いてしまっていたらしい。
ボクは、はっとして……
「わー!なんでボクは、まいおに告ってんだ?!」
耳まで真っ赤になる。
「今のなし、オフレコで…!」
慌てふためくボクに、彼はくすっと笑って返事をせず
「それじゃあ俺は、情報をまとめて皆にお知らせするよ!」
と言い、笑って駆けていった。
…本当に、頼りになる団長(代理)さんだ。
結局、「そうすればいいよ」って言われたことは、実現叶わぬことを知るけれど
そうするためにどうすればいいのか、
少しだけ冷静になった頭で考える。
どっちみちやるしかない。
やらない選択肢もあるけれど、絶対後悔するのは火を見るより明らかだ。
共に生きるために、生き延びるために
あきらめてなんか、やるもんか。
…ボクたちを、なめんなよ。
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