posted by 渡月・トワヤ
at 16:42:05 │
EDIT
新学期になって、早10日が過ぎた。
ボクは、ラッキーなことに(?) キャンパスは去年と同じ神楽山。
おかげで道に迷うこともなく、のんびりと登下校できている。
寮生活も気づけば1ヶ月がすぎ、新しい暮らしにも、なんとなく慣れてきた、かな。
最近の下校時の楽しみは、この季節ならではのお花見三昧。
寮が、わりあいのどかな場所にあるからだろうか。以前住まっていた場所に比べると自然が多く残っていて、風も健やか。
新緑は目に眩しく、この季節はまさに百花繚乱。
ボクの好きな木蓮は早々に散ってしまったけれども、風に散る桜のはなびらはひらひらとボクの周囲を軽やかに舞う。
足元に目を向ければ、庭の隅にスイセンやシバザクラ、ムスカリの群生。
それぞれが思い思いにぐんと背筋を伸ばして、花を咲かせている。
道端にはたんぽぽ。
どの花も、記憶の色を思い出しながら、
ボクの心にとどまるものは、ひとつもないけれど。
ボクは目を閉じて大きく息を吸い込んだ。
春の空気いっぱいを、胸に詰め込んだら瞼を開いて。
ようやく傾き始めた陽の光は、目の前の道を淡いオレンジに輝かせてくれるから。
大きな歩幅で歩きはじめる。
いつまでも立ち止まっていてはいけないんだ。
たとえこの身が引き裂かれるような痛みを感じていようとも、ボクが血の涙を流していようとも。
どうか誰も気づかないで。
振り向いてくれなくて、いい。
ボクの心は決まっているのだから、それでいい。
きみはいつまでも、ボクのたいせつなひと。
だから。
祈りにも似た願いは、
小さくつぶやいて、
風に攫われるように
空高く飛ばして、
そしていつかきっと。
きらきらと輝く虹雲となれ。
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