posted by 渡月・トワヤ
at 20:25:44 │
EDIT
今夜は満月だ。
ボクは月でも眺めようと思い立って、寮の屋上に上がった。
まさに今、遠く街の明かりの上にぽっかりと、少し紅い月が顔を出したところらしい。
昼間はさわやかな風が吹く、まさに初夏の陽気だった。
だからその延長でうっかり薄着で来てしまったんだけれど、思いのほか肌寒くて、ボクはぶるっと身震いした。
…まぁ、ちょっとの間だけだ。
このままで良いか。
ボクは、髪の毛を風に遊ばせるままにして、手すりに凭れた。
── 時間が、かかっちまったなぁ。
ボクがほぅっとついたため息は、風がさらりと攫っていく。
夕方、プリズムが床に散らした虹を見ていて、「あぁ、そういうことか」とボクは突然理解した。
月光には、浄化作用があると聞いた。
その真偽はともかくとして、宙高くのぼってゆく月は、徐々にその光を増しながら、辺りを柔らかく白く浮かび上がらせ、なんとも神秘的な雰囲気にする。
草も花も皆、息をひそめているかのようで、耳にツンとした静寂が届く。
ボクの心も、いつの間にか凪ぎ。
ボクは小さく、独り言ちた。
── Hopefully, that make your tomorrow will be happy.
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