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もう日課のようになってしまった相棒の部屋への突撃も、してみたものの、
どうにも調子がでなくて、ボクはいつもより若干無愛想だった。
(さすが、と言うべきか)相棒はそんなボクの様子にいち早く気づいてくれたけれど、
だからと言って、無理に元気づけようとか、そういった気負いは一切なく、いつもどおりに接してくれる。
ボクは、けっこう気分の浮き沈みが激しい。
自分のそういう部分はあんまり好きじゃなかったりするのだけれど、
だからと言って無理に笑ったりは、したくないし出来なくて。
ボクから見ると、相棒の精神はいつも大体同じ場所に居るように思う。
ボクがたとえどんなに参っている時でも、
「無理は良くないで。自然にしてるんが一番や」
と言って、心配しつつも変わらず笑顔でいてくれる。
そんな共倒れしない適度な距離感がたまらなく心地良い。
彼にそういった内容のことを言うと、
自分は自分でいつもグラグラしてると思うし、ボクが同じ場所に居るから…とかなんとか、
ボクと同じような気持ちを抱いていたことを知る。
その言葉を聞いて、ボクはなんとなく、合点が行った。
ボクは上下に揺れるけども、相棒はきっと左右に揺れているに違いない。
ボクらの揺れ動きは、たぶん四辻のように重なっている部分があって、きっとそれが、此処なのだ。
だから、此処は不変。
うまく説明できる自信がなかったから、そのことは言わずに、
ボクは、なんとなく、笑った。
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夜半、フルるんが訪ねて来てくれる。
「どうかなさったんですか?」
彼女もまた、元気のないボクのことを察して、遊びにきてくれたのだ。
「河童の川流れの如く、疲れている所為だと思うけど、調子が出ないんだよ」と少し曖昧に微笑う。
やさしくされるのに慣れてなくて、素直に甘える術を知らないボクにはこれが精一杯だ。
あんまり心配させるのもどうかと思いつつ、
やはり心配してくれる相手が居るということがとてつもなく幸せなことに思えて、感謝の意を伝える。
すると彼女も
「心配する相手が居るということも、幸せなことですよ。」と笑ってくれて、こんなことを言った。
沈んでしまったなら、水面を見上げたら良いと思います。
昼なら日のキラキラした光、夜なら月の光がきっときれいに見えるはず。
トワさんなら、きっとそこでも何かを拾うことができると思うんです。
優しくて柔らかくて。
そんな彼女の言葉が、ボクを勇気付ける。
(河童の川流れも、悪くないね)
「そうだね、転んでもタダじゃ起きない!」
ボクは、また少し元気を貰えたような気がして、さっきより多く笑った。
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布団に入って考えることは、
やさしいひとたちのこと。
こんなにやさしい人たちに囲まれて、ボクはなんて果報者なんだろう。
そして、一体ボクは、彼らに何をお返しできるのだろうか。
そんなことを考えながら、
ボクはいつの間にか、夢の中に沈んでいったらしい。