初めてこのモールを訪れたのは、高校1年の冬。
教室で初めて依頼を受けて、モーラットの捕獲にやってきたのだった。
街はクリスマスムード一色。
このモールにはめちゃくちゃデカいクリスマスツリーがディスプレイされるということで話題だった。無事にモラの捕獲を終えた仲間たちは蜘蛛の子を散らすように解散。各々が恋人と待ち合わせし、デートをしていたっけ。
ボクはといえば、そういったロマンティックな相手など居るわけもなく(彼らに羨望を感じ、一人で過ごす勇気もなくて)友だちのカンちゃんを呼び出してショッピングに付き合わせのだった。
よくカンちゃんも、あんな夜に付き合ってくれたもんだよな。
カンちゃんはやさしかったもんなァ…(※変わらずやさしいイイヤツです!)
…。
そうだ!
(ダラダラと汗をかいちゃったし)変わらぬ固い友情に乾杯しようっと!
ボクはジンジャーエールを買ってきて、ベンチで一休み。
傍らには小さな紙袋。これは今日の戦利品だ。
それに少し指で触れればそのたびごとに心は浮き立って、知らず知らずに綻ぶ表情。
ボクは小さな子供みたいにサンダルの足をパタパタさせる。
ジンジャーエールの淡い黄金色の小さな泡が、浮かんでは弾けていった。
暑い夏はとにかく苦手だったけれど、
今はちょっとだけ好きになれそうな、そんな気がしてる。
うぅん、もう、だいぶ好きかも。
そうすると…ボクは、春も梅雨も秋も冬も大好きだから、一年中好きってことになっちゃうなぁ。
気が多い気もするけれど、まぁいいか。
だって好きなものが多い方が、しあわせに決まってる。
さてと。
ジンジャーエールを飲み干すと、ボクは立ち上がる。
寮に帰って一息ついたら、隣室へ見舞いに行こうっと。
「恋人の笑顔が、一番の薬だ」って言ってたもんな。
…
……
………そんなんで本当に治るのか?
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