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Hermitage

PBW「シルバーレイン」のキャラクター、渡月・トワヤ(b63279)の日記。この世界をご存知ない方はブラウザバックをお勧めします。

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  posted by at 00:25:44 │EDIT
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Rainy Sunday.

  posted by 渡月・トワヤ at 15:38:02 │EDIT
朝から降ったり止んだりしている雨で、どこかしっとりした一日。
静かに流れるアンビエントは、雨にそぼ濡れる鎮守の森に囲われた寺院を思わせるような閑かさを湛えたもので、今日の雰囲気にぴったりだ。

何処に出かける気にもなれなくてボクは、自室にこもって問題集とにらめっこしていた。


うむー。
どれぐらい問題をにらみつけていたのか。
なんだか眉間のあたりが強張っている。
背中をうーんと伸ばして大きく息を吐き出して。
ふと目に留まる、花と碧いグラス。

そのグラスは、青から緑のグラデーションに小さな気泡が浮かんでいるもの。
去年の修学旅行で沖縄に行った際に、ボクが制作体験した琉球硝子製のグラスだ。
ただのミネラルウォーターだってなんだかおいしくなるような気が(するのは、美ら海のグラデーションに似せた大好きな色合いの所為かなぁ、なんて半分自画自賛で思ってたりなんか)して愛用していたのだけれど、今年の夏はこの子に別の役割ができたのだ。
ゆるりと手を伸ばして触れると、菫色の小さなはなびらが揺れる。
造花の紫陽花。
雨の日の色にも似たこのグラスは、その子のための特等席に決めたのだ。
切り花が苦手なボクは一輪挿しや花瓶の類を持っていなくて、だからこの花を貰った時、どう飾ればいいのか、少し迷っていた。
自分が「交換しよう」と申し出ていたのに・・・後先考えなさすぎだっていうのは、まぁ別の話。

紫陽花、雨、紫、青、水の色…水……
想いをつないだ先には、答えを知っていたかのように碧色のグラスが待っていて、ボクは膝を打つ。
「そうか。ボクはこの紫陽花のために、あのグラスを作ったのかもしれない」
なんちゃってね。

とりあえず、グラスにそのまま花を挿してみたけれど、少しぐらぐらとして覚束なくて。
ボクはちょっと考えた。
花が咲く水辺を思わせる、さわやかな甘さが漂うコーンタイプのインセンスを何個かと、グラスと同系色のビー玉とを混ぜてグラスに軽く詰め、そこに花を挿した。
これでぐらぐらしなくなったし、挿す角度にもニュアンスをつけられるようになった。
うむ、満足っちゃ(思わず出るお国ことば)

実際、机につけば時折仄かに漂う水の気配が心地よかった。
今日みたいに夏の熱を冷ますような雨の日は特に、空気中の雨粒までもがその気配をより濃密にする感じがして、目を閉じると、花が咲き誇る池のほとりに居るかのような気分にさせてくれる。受験勉強で思うように海やプールに行けなかった鬱憤が紛れるような気もして、少しだけ気分的にラクになる。


机に片頬をつけたまま、ボクは紫陽花を見上げた。
この花に託された想いを、静かに想う。
願えば。
強く願えば、本当に叶うんだね。
もちろんそれは、ただ願えば目の前に「はい」と差し出してもらえるような甘ったれたものじゃないことぐらい、ボクは知ってるけれど。

庇に当たる雨音が耳に戻ってきた。さっきより、雨が強くなったみたい。
ボクはコーヒーを淹れるために立ち上がった。

ゴールは遠いけど、きっと到達できるはずだから、もう少しだけ頑張ろうと思う。
きっと最後まで、ボクは頑張れる。
近くで応援してくれる人もいる。その応援には、応えたい。

強く強く心に刻む、これもひとつの願いごと。
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