大型で強い台風がゆっくりした速度で日本に近づいてきている。
この分だと新学期早々、暴風雨の中通学…ということも十分にありうるわけで。
それが風台風であるのなら、年中風が強く吹いてるようなところで生まれ育ったボクにとっては、けっこう余裕。むしろちょっとワクワクしちゃうんだけどなぁ。(ビョォォ!とかいう風の音に興奮してしまう)
でも、雨が伴うと、もうダメ。
暴風雨の中、傘をささずレインコートを着て歩くのも、そりゃ少しの間は楽しいけれど、長靴の中までズブズブになるのは、気持ちが悪くてガマンできない。
もし仮に学校が夏休み明け初日から休校とかになっちゃったら、課題を(めずらしく全部やり終えたから)めちゃくちゃ肩すかしだ。
そういえば、中学生の時に一度だけ、通学時間と台風の上陸が重なった時があったなぁ。
街路樹が折れる被害が出てしまうほどの猛烈な台風だったけれど、そのときのボクらが知る由もなく。
通学路が一緒の友達と傘をさし、風の音でかき消されるのをいいことに「ぎゃー!」と大声で叫んだり半分ヤケクソで笑ったりしながら通学したのだ。(友達の傘は折れた)
今思えば、ちょっと無茶だったかな。まぁ、無事だったからいいや。
でも、せっかくずぶ濡れになりながら登校したのにクラスメイトの半分以上は登校していないし、担任もなかなか顔を見せないし、そのうち隣のクラスから「今日はどうやら休校だったらしい」という話まで聞こえてくる始末。
雨粒は、ますますはげしく窓に打ちつけられるばかり。
なんだかボクらは世界から取り残されちゃったような所在なげな気持ちになる。
実際、ボクらと外界(大げさ)との連絡手段といえば、携帯電話の所持は校則で禁止されていた手前、職員室前にある公衆電話だけだったし、親に「迎えに来て」と電話をするのも、同級生の手前ちょっと恥ずかしかったりもしたし。
「お前ら、少し風がおさまったら帰ってえぇぞー」
見回りに来た教師もそんなことを言うが、そもそもいつごろ風雨が弱まるのか、ボクらみたいな子どもでは見当もつかないっつーの。
ますますボクらはしょげかえり「帰る?」「どうする?」と互いの顔を見合わせるばかりだった。
でも、こうやって鮮やかに覚えているのは、そこまでだ。
目の前でぱちんとシャボン玉が弾けたみたい。
まるで夢からさめたときのように、その日は結局どうやって家に帰ったのかとか、ちっとも思い出せないでいる。
「臨時休校」って単語はそれだけで浮き足立つには充分だ。
なのに校舎内の雰囲気は、いつもより少ない生徒数が生みだす静かな動揺とそれを悟らせまいとする強情とで、なんだか妙な緊張感が漂っていたし、完全に外界とへだれがシャットアウトされたような感覚。
なんやかんや言っても、ボクらはある意味ハイになっていたのかもしれないな。
雨の音が、間遠になる。
ボクは、ミルクティを一口。
さて、残りの和訳もやってしまわないと、途中でやめたらワケがわかんなくなってしまうな!
もうちょっとだけ、集中集中!
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