posted by 渡月・トワヤ
at 15:51:13 │
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運動会が終わった、ある日。
寮の談話室でとある先輩が「白銀寮マル秘写真集」など言いながら、一冊のアルバムを広げていた。
もう一人の先輩が「後で見せてね~」なんて言っている。
今年の運動会は、後夜祭のみの参加になっちゃってて、どんな様子だったか気になってたんだよね。
「マル秘」ってのが少々ひっかかるが、ボクはしれっとその輪に近づいて、耳をダンボにした。
どうやら先輩はクロネコの着ぐるみを纏いつつ、さまざまなシーンを激写してきた模様。(器用な黒猫だ。)
先輩が撮ったと思しき寮生のさまざまな表情を切り取った写真が、繰られるページにセンス良くレイアウトされており、それがどんなシーンだったか、説明もそれぞれにしてくれていた。
棒倒しのシーンが一通り終わり、次のページ。
「……だろ、それからいいムードで踊る大地と・・・・・」
そこのところで、ボクは弾かれたように、「うわぁ!」と声を上げた。
「ね、その写真、焼き増しして(できれば引き伸ばしてパネルにして)ほしいんだけど!」
考えるより先に、口走ってしまった。
でも、もしそれが叶ったら、部屋に飾って、しょっちゅう眺めていられる。
そしていつでも思い出せるのに。
あの夜の胸のドキドキも、
炎の熱さに瞳が潤んだことも、
彼の顔を見上げる面映ゆさも。
全部全部、忘れることなどないけれど。
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