posted by 渡月・トワヤ
at 17:15:37 │
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今日は一日晴れていた。
空気がカラカラに乾燥していたせいで、雲一つない高い空。
風は冷たい。
北海道の方では、もうすでに雪がちらついていると聞いた。
秋が来たと思っていたら、もう冬の足音が聞こえてくるなんて。
陽がすっかり落ちてしまうと、風は一段と冷える。
ブルっと身震いしたボクは上着のポケットに手を突っ込んで足早に歩き続けていた。
吐く息が白くなるのも、時間の問題かな。
ふと顔を上げると、周囲の木立やまだ明りの灯らない民家は影絵のように墨一色で塗り潰されてしまったようだった。その向こうに広がる空は、かろうじてオレンジを残したグラデーション。オレンジと藍の狭間にはぴかっと光る、きら星ひとつ。
ああ、あれはたぶん金星、宵の明星。
星座はあまり詳しくないけれど、冬の夜空は見上げるだけでワクワクできる。
北斗七星に、カシオペアぐらいは解る。
もう少し夜が深まってサソリが眠りにつくころには、オリオン座が静かに顔を出すのだろうことも。
秋から冬は夜が長くなる季節。
空気もピンと張りつめて、満天の星空。その輝きも、ひときわ丁寧に磨かれた宝石のように輝きを増す。
ボクは立ち止まって、空を仰いだ。
月がのぼるのは夜半。
陽が沈み切った空に、星がゆっくりと姿を現しはじめる時間。
イヤホンからは、携帯音楽プレイヤーでランダム再生しているお気に入りの曲が流れてくる。
やわらかい声で綴る、穏やかな愛の歌。
図らずもそれは今日の夕暮れに良く似合っていて、ボクは淡く笑んだ。
あんまりこんなところでぼんやり立っていたら、風邪を引いちまう。
さぁ、寮へ帰ろう。
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