ボクは、電車に乗るのが好きだ。先に断わっておくがボクは別に「鉄子」ではない。
話はボクが生まれ育った町から始まる。
その町(市)は公共交通機関が路線バスしかない。まぁそれでも、ボクの実家があるあたりはバスは10分置きぐらいには運行している市街地だったけれど、最寄の鉄道駅は自宅付近のバス停からバスで20分かかる。しかもJRのみ。
中学生レベルの移動では、基本徒歩orチャリ。少し遠出するならバスか家族の運転する車でという選択肢。いずれにしても電車とは縁遠く育ってしまった。
事故さえなければダイヤ通りに運行するというその安心感たるや!
鎌倉に住まうようになってから、まず情緒あふれる江ノ電にときめいた。それから私鉄の路線の多さにも感動した。
高校生だという自覚はあるから、利用しているときも何の気なしの顔をしてはいるけれど、内心はいつだって、電車に乗るたびにワクワクソワソワしている。実は今だってそうだ。(…)
通うのが大変ったって、2時間ぐらいのもんだろ?
7時ぐらいに出れば間に合うんじゃないのかなぁ…
今だって朝6時前には起きる生活をしているから、苦にはならないはず。
なにより、やりたいことをやれるようになるための勉強に通うのだ。力も入るというもの。
ボクはこの4月から通う学校の最寄駅を調べるため、入学案内の資料をぱらぱらっとめくり、そして。
…?
感じる違和感。
「ね、ボク。埼玉って言ったよな?」
隣に座っていた彼にそう訊ねる。彼はボクの言葉に少し首を傾げたものの、こくこくと頷いた。
──うーん。
ボクはずるずる、とベッドに預けていた背を滑らせてるように床に仰向いて、資料で顔をこっそり隠した。
穴があったら入りたい・・・。
うわぁぁ、なんでボクは埼玉って言ったんだろうか?
自分で自分がアメージング。
案内資料の学校所在地は、千葉県××市となっていたからだ。
何時の間に移転した・・・んなワケないよな。
まぁ、東京の向こう側だもんなー。千葉でも隣のとなりの県に違いない。だからきっと間違っちゃったんだ。
(なんとなく、言い訳をしている。春から大学生なのに、本当に大丈夫か?この子(汗)
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