心のにーさんが立ち上げた団には前々から興味があった。だって「ひみつけっしゃ」というだけでなんだか興味を惹かれるじゃないか。
それで、お邪魔してみたかったのだけれど、如何せん「ひみつけっしゃ」なのだし、そもそも嫉妬というものについて無知なボクだったから、よしんば入団させてもらえたとしても、疎外感を味わうんじゃない かなぁ、とも思っていて。
団の様子を、こっそり草葉の陰から
ストーキング見守っている日々だった。
そんなボクの(不審な)様子に気づいていたかは定かではないし、その目的があったかも知らないけれど、ある時にーさんが某所で団員のみんなとボクとを引きあわせてくれたのだ。
そして、ストーキン…ごほん、草葉の陰から見て感じていたとおり、やっぱり皆とても楽しくて優しく(ちょっと…いやかなり)面白くて、あぁこのひとたちの仲間に入りたいなぁ…という願いが再び頭をもたげる。しかも今回は、にーさんのおかげで他の団員とも面識があったから、その願いはぐっと具体的になっている。
そうなると、居ても立ってもいられないボクだ。
雑談が途切れた時に思い切って入団したい旨を告げると、皆が歓迎の意を示してくれたので甘えることにし、そして今に至る。
だけれど。
実際、仲間になり楽しく過ごしているものの、自分が嫉妬するとなると未だどうしていいのかわからないのが現状だ。
入団理由の「新しい嫉妬の在り方」すらも見つけられずにいる。
団員の心にも、ひとつも近づけやしない。このままでいいわけがない。
どうにか皆との親睦を図りたくて参加した依頼。
爆発に巻き込まれた挙句(のちにこれは予定調和だったと発覚するが)重傷を負い、彼に心配そうな顔をさせてしまって申し訳ない気持ちでいっぱいになっている一方で、団員同士のカップルのラブラブっぷりを見ているのはとても幸せな気分だったからまた参加したいなぁ…と思う。
ただ、そうなると爆発に巻き込まれるのは必至で、でも彼には悲しそうな顔はしてほしくなくて。
親睦を図るはずが「相手がここに居ないってだけでオマエも敵だー!」って言われたしな…敵……(しょぼーん)
次の依頼があったらどうしたらいいのか──ネタにも染まりきれない、シリアスにもなりきれない──自分一人では答えが出せないし、負のスパイラルで二進も三進もいかなくなっていた。
一人で悩んでいることに限界を感じたある日、団員に訊くのは本末転倒かなぁ…と思いつつ、嫉妬に関してはこれ以上ないほどのエキスパート、なおかつ前出の依頼で思いっきりラブラブしていた狼先輩であれば、ペーペーのボクなんかじゃ思いも及ばない嫉妬に関するエトセトラを知っているかもしれない…と気づく。
ボクは思いきって、自分の葛藤を先輩に打ち明けた。
「何をバカなことを言っているんだ?」って言われることも覚悟していたのに、先輩は想像以上に真面目に相談に乗ってくれ、いろいろとアドバイスもしてくれた。ボクが勘違いしても「そうじゃない」と呆れもせずバカにもせずにコーチングしてくれる。
まるでスポ根みたいだけれど、真剣に向き合ってくれることが純粋に嬉しかった。
暗中模索よろしく、ボクが立ち尽くしていた暗闇に、先輩がくれたアドバイスが亀裂を生じさせた。そこから漏れでる光は少しずつ広がって、ボクははっとする。
ボクの視野は、なんと狭かったのだろうか。
狭い視野から見える世界は限られていて、だから少しばかりボクは方向性を間違っていたみたいだ。
間違った方向に力を重ねても、どんどん正解から離れていくのは道理じゃないか。
ボクはこっそりと自分に苦笑いした。
そうだ。
「ボクらしい在り方」を実現できるのは、ボクしかいないよね。
こんな単純なことに気づけないなんて、本当に、どうかしていたなぁ。
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