posted by 渡月・トワヤ
at 13:29:33 │
EDIT
せっかくの夏休みだけれど、こうも暑い日が続くと気分が萎える。海に面したこの街は、それでも都市圏なんかと比べると風もあるし過ごしやすいはずだけれど、暑いのはやっぱりちょっとニガテだ。
夏休みの課題は、大学だからと言っても遊んでるばっかじゃないんだなぁ…というくらい出ていて、ちょっとガッカr……いやなんでもない。
まぁともかくそれは朝早く起きて涼しいうちにやることに決めていて、もちろん、今日の予定分はもう終わらせているから、こうして自室でごろんごろんしているワケだけども、いいかげん飽きてきたので図書館へ行くことにした。
図書館は涼しいし、お金もかからない。それに図書館の独特のにおいも好きだし、重くてとても持ち運べない美術全集も百科事典も(そもそもこういうものは貸し出し不可だったりするけれど)あって、気軽に手に取ることができる。
本に囲まれるしあわせ、ボクにとってはパラダイスなのだ。
そうと決まれば、こうしちゃいられない。
ボクはむくっと起き上がり、いそいそとおでかけ着に着替える。
晴れ渡る空の下。海の方角には入道雲が見える。
ミンミンミンだか、ジージージーだか。とにかくさまざまなセミの声が降りしきる街路樹をくぐり抜けて図書館へ到着した昼下がり。
なるたけ日陰を選んで歩いたものの、やはり暑いのに代わりはなくて。
今ボクはエアコンの効いたエントランスで吹き出る汗を拭い、ペットボトルのお茶を飲みつつ、クールダウンしている。
ふと、去年の今頃も暑い暑いと言いながら此処に来て、しかもこんなふうにベンチに座っていたような気がした。そのことがちょっとだけ可笑しくてボクはふっと笑う。
汗もだいぶ引いたし、さて本を読みに行こうか。
ボクが公共の場で読む本に、小説は向かない。
そもそもボクは涙腺が弱いから、うっかり感激でもしようものなら、涙と鼻水とで酷いことになってしまう。公衆の面前で泣けるほど、ボクはもうコドモじゃない。
だから、こういうときに読むのは、エッセイや星座や空の科学的な読本(できればフルカラーの写真のものが好ましい)であるとか、芸術家の作品集など。持ち帰るのに苦労しそうな分厚い本も、ここぞとばかりに手に取ってページをめくる。
今日は、とある女性作家のエッセイを手にし、適当な椅子に腰掛けて、ぱらりとページをめくる。
そしてある一文に釘付けになり、何度も何度も視線がその文章の上を往復した。ボクが常々思っている自分の弱さ──それでも最近はずいぶんそのことで思い悩むことはなくなったけれど──をずばりと指摘され、それをポジティブなものに変える文章だったからだ。
うんうん、本当にそうだよね。
ボクはその活字を指でそっとなぞりながら、この言葉を胸に刻んだ。
あとで、手帳に記しておこう。
そして、もっと自分を大事にしようって、思ったんだ。
PR