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今回は、両手分の詠唱兵器を作ることにしていたので、
百葉箱へ、ひとまず持参した荷物の半分と図面を詰め込んで閉め、
そうしてもう一度、既に空になっている百葉箱へ残りの荷物と図面を詰めて、扉を閉めた。
こうしておけば、少しの時間の後、ボクが望む得物へと変化するのだそうだ。
果たしてそれがどうやって姿を変えるのかは、誰も知らないらしい。
相棒が図書室でコピーしてくれた資料にも、ただこの方法が記載されているのみで、それ以上については言及していなかった。
触れてはいけないモノもある。
触れずに居る方が、幸せでいられることもある。
ボクらのチカラのことも、このガッコのことも。
こういうのをなんていうんだっけなぁ?
えぇと…ホトケの顔も三度まで…じゃない、あぁ、知らぬが仏だ!
だから、まぁ、リクツはわかんなくても良いのだ、うん。
そう納得してボクは、ガッコの屋上を後にした。
自宅に帰り、翌早朝。
コトンと小さな音がして、目が覚めた。
音の正体は、郵便受けに落ちている一枚の封筒。
ガッコの名前が印刷されているそれには、ボクの宛名だけが印字されている。
封を開いて中を確認すると、カードが2枚入っているだけ。
しかし、それこそがボクが望んでいたモノ。
寝起きの頭も、ぱっと覚めるというもの。
カードを各々の指でピッと持ち上げ
「イグニッション!」
唱えれば次の瞬間には、ひんやりしたメタリックな感触が、
そうすることがさも自然であると言わんばかりに、ボクの手のひらに収まった。
ずしりと重い右手の感覚。
対して、左手のソレはあまりにも軽いけれど、
解放した風の力を持ってすれば、扱いに困ることはない。
嬉しくなって思わずにんまり。
イグニッション状態を解くと、再びカードが二枚、手のなかに落ちる。
ボクはそれを壁に掛けていたライダースワンピースのポケットに無造作に突っ込んで、朝の支度に取りかかった。
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