posted by 渡月・トワヤ
at 16:00:10 │
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今日はあいにくの曇り空。
今すぐにでも雨が降る、というほどの曇天ではないけれど、
ねずみ色の空に、紅葉を始める並木道の色の鮮やかさが対照的でなんとなくしょんぼりしてしまう。
今月に入ってから、なんだか色々あったような気がする。
正直、すこし疲れてるみたいで、気持ちが少し、ぐらぐらしがち。
浮いたり沈んだりを繰り返し、それもあって疲れがますます溜まっているのかもしれない。
並木道のポプラははらはらと葉を落とす。
風のある、少し寒い日。
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古本屋へ行ったのだけれど、思わず「あれも」「これも」と予定以上に何冊も買ってしまった。
袋が重い…
部屋に戻ると、ジャケットを脱ぎつつ本の入ったビニール袋を座卓に置いた。
もう10月も半ば。
ジャケットの下は薄いカットソーだったから、ぶるっと身震い。
カーディガンを羽織ってから、香に火をつけた。
最近気に入っているのはマグノリア(木蓮)の香りで、今日もそれをチョイスした。
元々木蓮は、凛とした美しい強さを感じさせるあの花を好きだったのだけれど、
一度試しにアジアン雑貨店で手に入れた香が(安かったにもかかわらず)ヒットだったので、
それ以来、ヘビーローテしているのだ。
火が着いて、煙が立ち上るのを確認してから台所へ。
コーヒー豆を軽く炒りなおしてから、コーヒーメーカーへセットした。
カップは、コーギーの可愛らしい絵が描かれた気に入りのマグカップにしよう。
牛乳を3分の1ほど注いでおき、コーヒーが沸くのをなんとはなしにぼんやりと待った。
ピーッ、ピーッ
2回の電子音にはじかれるように、意識が戻る。
電源を切ってフィルターを取り外し、コーヒーをカップへ注いだ。
牛乳のおかげで、一口目から快適な温度のコーヒーをすすり、
座卓の袋を開いて本を取り出し、さてどれから読もうかと贅沢な悩みごとを思う。
あぁ、どれも面白そうなんだもの。
とりあえず、今まで読んだことがなかった作家さんの小説を手にした。
ジャンルは推理小説になる…のかな。
ネットで調べた書評で、少し気になっていた作家さんのものだ。
香から立ち上る細い煙のように、ゆるりとした時間が過ぎる。
posted by 渡月・トワヤ
at 23:59:59 │
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「トワヤくん!」
冒険に出発する直前。
ボクの気持ちが少しばかり萎縮しているのを気にして、五十鈴が声をかけてくれた。
ボクと歩調を合わせるように、五十鈴はボクに肩を並べ
「大丈夫だよ、僕と師匠とでしっかり守るからね」
任せて、と言わんばかりに、胸を拳でぽんと叩いてみせ、満面笑顔。
テレパシー(=仮プレ)で「わ~!」とか「こっち来んといて~」とか悲鳴あげてる五十鈴を感じ取ったボクは、少し眉毛を上げ怪訝そうに、それでも笑い返してみせる。
「こんな依頼、初めてだからなぁ。ちょっとばかり緊張してんだ」
うんうん、判るよというふうに五十鈴は頷いてくれる。
「僕自身も、こんな依頼受けることになるなんて、思ってなかったし」
五十鈴の言葉に、思わず「は?」と問い返す。
「…自分で受けるって名乗りをあげたんだよね?」
意味が判らない。
「そうそう。自分で名乗りをあげたんだけどね。これも運かなー…」
目を閉じ、頭を左右にゆるゆると振って満足げな五十鈴の言葉に、
「…ウンだけに!」
「ウンだけにね!」
ほぼ同時に口にしたオチは、今回の依頼のキーワード。
ボクらは、あははと声を出して笑いあう。
緊張が、少し解れた気がした。
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やっぱ出発の前だからかなぁ?
五十鈴のテンションが妙に高い気がして理由を訊ねると、
気分を上げるために、携帯音楽プレイヤーで音楽を聴いていたんだと教えてくれた。
「どんな曲聴いてんの?」
ボク自身も音楽鑑賞は趣味だ。思わず食いついてしまう。
「んとね、僕は洋楽が好きなんだ」
ちょっと聴いてみる?と差し出してくれたイヤホンの片方を受け取って、耳へ。
ちょうど流れていたのは、ボクでも聴いた事がある有名な歌手の曲だった。
「あ、この曲知ってる!でもこれ…どこで聴いたんだっけなぁ」
何かのテーマソングだったかなにかか。
テレビから流れてきていたような映像が脳裏に浮かぶ。
「○○ってCDに入ってるよ。確か1曲目だったと思う」
「あっ、そのCDなら持ってる!なぁんだ、それで聴いたことがあったのか!」
自分の記憶力のしょっぱさが身に沁みて思わず苦笑い。
「でも、この歌手の声良いよなぁ。リラックスする時に良さそう」
イヤホンから流れる曲の感想を述べると
「トワヤくんなら、この歌手の良さ、解ってくれると思ったんだ」
五十鈴は、嬉しそうに笑った。
関西出身だからなのだろうか、五十鈴は良く喋る。
面白ければ良し。そんな価値観が根底にあるんだろうか?
ボク自身、友だちと雑談するのは大好きだし、
こういう何気ない会話はテンポこそ大事だと思っている節があり、そんな感じで彼とはウマが合う。
「さて、覚悟は完了できた?」
「…いつでもOKさ」
「嫁入り前の娘にこんなこと頼んで、ゴメンね」
手の甲で涙を拭うフリをし悪戯っぽく笑う五十鈴に、笑顔で応えてボクは前を向く。
無事に帰ってきてやる。
帰ってきても「臭ェ」なんて言われないために、終わったらちゃんと皆で掃除もする予定だし、
近場に温泉があるそうなので、帰りに皆で入ろうと約束してる。
依頼から無事に帰れたら、
きっと、綺麗さっぱりさ!
posted by 渡月・トワヤ
at 15:41:12 │
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ボクは良くも悪くも、物分りが良いらしくて、
それで、たくさんの人を傷つけてしまったし、
あっさりして見えちゃうことも多いんだと思う。
いろんなことを考えているつもりなんだけれど
口に出すと、なんだかすべてがキレイゴトみたいに白々しく思えてきて憚られる。
結局、口を噤んでしまったり、ただ頷くしかできなかったり、
無愛想な口調になっちまったり。
それにしても。
…この変化は本当に、言うようなほんの小さいものなのだろうか?
ボク的には、今まで生きてきた15年の中で一番のビッグウェーブなんだけれど。
それは、遠江の浜柳のごとく。
外から見たら、理解しがたいものかもしれないね。
ボクらには、ボクらの信条や流儀があり、
それらは歯車のように噛み合って動いている。
なんの不都合もそこには存在しないし、
滾々と沸き出す源泉のようにぬるま湯にならない居心地の良さは、掘り当てたもの。
そしてこれからも、掘り続けていけるもの。
もしこのことが本当に小さな小さな切欠だとしたら
この先一体、どんなふうな変化を見せるんだろう。
そう思うと、どうしてもこの心の動きを、抑えることができないでいるんだよ。
posted by 渡月・トワヤ
at 05:30:32 │
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果たして、ボクなんかに守られる資格はあるんだろうか?
自信のなさが、頭をもたげて、自分の価値が、判らなくなっている。
サポートを頼まれたということは、信頼されているということだ。
期待に、応えなくては。
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ボクが石化してしまえば、皆の危機に直結する。
精神的苦痛も、計り知れない。
皆がボクを守ることは即ち、ボクが皆を守リ続けられるということ、か。
しかしその時、自分の能力「浄化の風」は、どこまで通用する物なのだろうか。
ボクの力不足で効果がなかったら…どうなるのか。
それは、まったくの未知数。
不安で、昨夜はなかなか寝つけなくて。
この期に及んで、何を躊躇っているんだろう。
長針が、何度回ったんだろうか。
ほとんど眠れなくて、ボクは寝間着のまま、屋上へ出た。
びゅう、と吹く風に、思わず身を竦める。
徐々に東の空が白みはじめ、空気は冷たく澄んで、明けの明星がちらちらと大気の層で揺らいでいる。
前を向け。前を向け。
もうすぐ出発なんだ。
「しっかりしろ!」
コンクリの床にパチッパチッと響いたその音は風と共に、空へ往った。
熱を持った頬が、じんじんと鈍く痛む。
…無事に帰ってこれたら、何をしようか。
少しの間、気分が悪くなっているかもしれないけれど、
美味しい物を食べたい。(今はちょっと想像で食欲が減退中だし
フルるんに貰った入浴剤を浮かべた風呂に入って、しっかり眠りたい。
大好きなともだちにまた会って、この依頼のことを話して。
けろりと笑いあえたら、きっと素敵だ。
頑張らなくちゃ。
きっと口唇を結んで、顔を上げる。
よし、準備しよう。
踵を返して部屋へ戻り、まず。
玄関先に消臭用のアルコールスプレーを置いておくことは必須で←これ大事
posted by 渡月・トワヤ
at 09:54:33 │
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胸にひとひら、花弁みたいにふわりと舞う。
他の人から見れば、取るに足らないことかもしれないけれど
ボクにとっては、とても、嬉しい出来事。