posted by 渡月・トワヤ
at 23:59:59 │
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痛ましい包帯姿の仲間を前にボクは、
ほっとしたような、悲しいような、複雑な気持ちでいた。
「包帯ぐるぐる巻きだけれど、暫くしたらまた元気になるから」
そんな言葉。
どっちが見舞われてるのか、わからない。
…命さえあれば。
亡くなられた人も居る今回の戦いで、
ボクは幸いにして(身体は確かに疲労のために重く感じられるけれど)
生命賛歌の効果で傷跡もほとんど残っておらず、今こうして、仲間を見舞っていられる。
戦功という観点からも、戦線離脱した仲間の応援もあって、それなりの成果も挙げたと思う。
ボクは仲間内で死者が出なかったことに、内心、これ以上ないほどの安堵を覚える。
そして、そう感じる自分がとても自己中心的だと思うし、
しかしまた己をそう思うのは偽善者ではないのかと、仄暗い気持ちになり、軽く目を伏せた。
病院からの帰り道。
外灯の灯りで伸びる影を見ていて、また笑顔で逢おうと誓ったあの約束を思いだす。
「…ホントに、無事で…、また逢えて良かった」
病室で言えば、泣いてしまいそうで、だからココでこっそり言おう。
また逢えて、良かった。
そして男泣き(という名の嬉し泣き←
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posted by 渡月・トワヤ
at 07:00:00 │
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AM6:00
むっくりと起き上がる。
寝起きは珍しく良い。
おそらく、緊張しているんだろう。
初めての、戦争。
ヘタを打てば、命に関わる。
まだ、何もかもが始まったばかりだ。
ここで降りるワケにはいかない。
また、笑顔で逢いたいから。
身支度を整えて、誰も居ない部屋を振り返り、
「んじゃ、行ってくるよ」
ぽつりと声をかけ、静かにドアを閉めた。
posted by 渡月・トワヤ
at 17:20:24 │
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ふわり、と鼻をくすぐる甘い香りに顔を上げる。
視線の先、5mと言ったところか。
とある民家の庭先、柵から身を乗り出すようにしてその甘い香りの正体が植わっていた。
金木犀。秋を代表する花のひとつだとボクは思っている。
照りつける夏が終わって巡りくる秋に咲く花は意外と多く、またそれが乾いた空気に良く似合う。
明日は、戦争だ。
大事なものは、平常心。
だからこそ、普段と同じ一日を楽しみたいと思って散歩に出て、思いがけない邂逅。
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きょろきょろと周囲を見回して人通りがないことを確認すると、
目の高さまで撓っている枝までそろりと歩み寄り、花のひとつひとつまでが、良く見えるほどに顔を近づけた。
そういえば、こんなに間近で金木犀の花を見たことがなかったかなぁ。
初めて見る金木犀の花は、思いのほか小さかった。
橙色の、丸くてぽてっとした花弁が、可愛らしい。
近づきすぎて鼻が慣れてしまったのか、風向きの所為か。
あの甘い香りは、もう感じなくなっていた。
ふぅ、と息をひとつ吐き出して、ボクはまた歩き始める。
秋。
八百屋の店先に、ザルいっぱいの梨。
堤防には、鶏頭やコスモス、彼岸花が咲いている。
遠くの山の頂上付近は、少しずつ紅葉が始まっているようだ。
散歩の締めは、やっぱりいつものボクの場所。
ケータイでひつじ雲の空を写メったり、夕陽のオレンジを眺めたりして、
風が少し肌寒くなるまで、ただぼんやりと過ごした。
posted by 渡月・トワヤ
at 14:48:45 │
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鍵を開けて靴を脱ぎ捨て、
鞄をガッと床に放り出したら、
へたりと床に座り込んで
手近なクッションに顔を埋めた。
目に映るすべてが、悪い方に見えてしまう日がある。
今日は、そういう日だ。
理由なんかないって、頭では理解ってるのに。
…気を緩めると、涙が溢れそうだ。
posted by 渡月・トワヤ
at 12:19:52 │
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うーむ…
キャスターかメディックか、だな。
(背後事情で)戦闘への参加具合が、当日その時にならんとわからんからなぁ…(頭をかきながら考え中